渡辺まどかです。
前回は不登校の息子の例を通じて、
「こころの鎧」についてご紹介しました。
今回はその「こころの鎧」が
ロジカルシンキングにも大きな影響を
与えているということを、
私の若かりし頃の失敗事例を通じて
ご紹介してみたいと思います。
私の若かりしころの失敗談
私は前職で、
コンサルタントをしていました。
当時の私はまだ若く、
いくつかのプロジェクトを
経験しただけの若手にすぎませんでしたが、
上司からは
「資料作成もちゃんとできている」
とお墨付きをもらい、
自分がコンサルタントとして
成長できていると感じていました。
あるとき
「次は顧客との関係構築だね、
そろそろ挑戦してみようか」と
上司から小さな案件の提案を任され、
ヒアリングから資料の作成、
プレゼンまでを担当することになりました。
プレゼンの相手は、
とある大企業の部長さん。
上司からお墨付きをもらった
自分の知識やノウハウを活かして、
自分なりに入念に準備をして
プレゼンに臨んだつもりでした。
が、一通り説明をすると、
相手の表情が硬いまま。
と一抹の不安を感じます。
そんな中、相手の部長さんから
と質問を投げかけられました。
その質問で、
私は頭が真っ白になりました。
そこからは、何を説明したのかは
覚えていません。
ただ、やたらと長い説明を
したことは覚えています。
私の説明を聞いて、
話が冗長でわかりにくい、
質問したことに明確に答えてもらえない、
と感じたのでしょう、
その案件は失注に終わってしまいました。
なぜプレゼンがうまくいかなかったのか。
うまくいかない原因や対応策は
その人によって違うのですが、
一つの原因として、
「説得しようとしている」
というものがあります。
なぜ相手を「説得したい」
と思うのかと言うと
…etc と思うからです。
このとき、
私の頭の中での無意識の大前提は、
「私の考えは肯定的に受け入れて
もらえるのが当然だ」です。
ここで重要なのは、
意見のプレゼンに
自信があってもなくても関係ない
ということです。
当時の私が、若くて知識も経験も少なく、
大企業の部長さんに一発で
OKをもらえるような
プレゼンができるわけがないのは、
自分でもわかっていました。
それでも、無意識のうちに
「私の考えを否定しないで、拒絶しないで、
それが正しいと受け入れて」
と願い、期待してしまうのです。
無意識ですから、自分がそんな風に、
願い、期待しているとは、
全く気付いてはいません。
一方、頭の中は
「相手に受け入れてもらうために
最大限うまく振る舞うこと」
でいっぱいです。
上司からお墨付きをもらったから大丈夫、
ちゃんと準備したから大丈夫と、
弱くて不安でみっともない自分を守るために、
自分を精一杯よく見せようとすることで
必死なっていたのです。
そんな状態ですから、
相手のことは一切目に入っていません。
相手を観察したり、
相手の言葉を真摯に聞いたり、
相手のことを考えたりしていません。
・どんな様子をして、
・何を話しているのか。
・何に興味関心を持ち、
・何をしりたいとおもっているのか
…etc
なんてことは一切考えていません。
完全な一人相撲なんですね。
だから、相手の硬い表情を見て、勝手に
と不安になる。
相手から質問をされたことで、
傷つけられた、
受け入れられなかった
と、勝手にショックを受けたり、
腹をたてたりしているのです。
動揺しているので、頭が真っ白になり、
相手の質問の意図を正しく理解して、
それに沿うような受け答えが
できるわけもありません。
いつもよりも頭が回らず、
説明が長く、わかりにくく
なってしまうのです。
不安で弱くみっともない自分を
守ろうとする自分こそが、
前回もご紹介した
「こころの鎧」です。
心の鎧にまず向き合う必要性
「こころの鎧」に気づかないと、
相手のことに興味関心を持てずに、
うまく振る舞おうとする自分で
いっぱいいっぱいになってしまいます。
無意識に相手がYesと
言ってくれることを願い、期待し、
それがかなわなかったときに、
動揺したり腹を立てたりして、
頭が真っ白になったり
冗長で支離滅裂な説明を
してしまうのです。
カウンセリングをしていると、
「うまく説明できない」
という悩みをよくお聞きするのですが、
「こころの鎧」に影響を受けているのかもしれません。
ロジカルシンキングの技術
(事実と意見を切り分ける、
根拠のある意見を構成する…etc)
ももちろん必要ですし、
身につけることで
コミュニケーションの改善に役立ちます。
しかし、
どんなに技術を学んでもうまくいかないとき、
もしかしたら今回のような
「こころの鎧」からアプローチすることも
必要かもしれません。
うまく伝えられなくて悩んでいる方、
技術的な側面から、あるいは
「こころの鎧」の側面から、
問題点と対応策を一緒に考えます。
もしよかったら
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