ロジシンコラム

会議で意見を求められたとき、うまく意見が出せない理由

会議で急に、
「この件について、どう思いますか?」
と聞かれた瞬間、頭の中が真っ白になってしまう。

事前に準備する時間があれば話せる。
文章にすれば、自分の考えを整理できる。

それなのに、その場で意見を求められると、うまく言葉が出てこない。

そんな経験がある人は、少なくないと思います。

会議で意見が出ないと、「何も考えていない」「主体性がない」と見られてしまうことがあります。

けれど、実際には、考えていないから言葉が出ないとは限りません。

むしろ、いろいろなことを同時に考えているからこそ、どこから話せばよいかわからなくなっていることもあります。

「意見」を完成した結論だと思ってしまう

「どう思いますか?」と聞かれたとき、多くの人は、何かはっきりした結論を答えなければならないと感じます。

A案がよいと思います。
このやり方に変えるべきです。
この問題は、こう解決した方がよいです。

そのくらい明確な答えを出さなければ、発言したことにならないように感じるのです。

でも、実際の思考は、いつも結論から始まるわけではありません。

本来は、人の頭の中では、

今、何が起きているのか。
どこに問題がありそうなのか。
何が原因なのか。
どんな対応策があるのか。
何を優先すべきなのか。
そのうえで、どうするのか。

ということが、ごちゃごちゃの状態で考えられています。

ところが会議では、この途中の問いを飛ばして、いきなり「だから、どうするのか」を求められているように感じます。

まだ状況を整理できていない。
問題も一つに絞れていない。
A案にもB案にも、それぞれ気になる点がある。

その状態で結論を求められれば、言葉に詰まるのは不自然なことではありません。

結論ではなく、考えている途中を話してもいい

「どう思いますか?」と聞かれたとき、必ずしも完成した結論を返す必要はありません。

たとえば、

「まだ結論までは出ていませんが、今の話ではここが気になっています」
「A案かB案かを決める前に、まず何を優先するのかを確認したいです」
「今のところ、問題は二つありそうだと感じています」
「この部分について、もう少し情報があれば判断しやすいと思います」

このように、考えている途中を言葉にしていいのです。

意見というと、完成した主張のように感じます。

けれど、会議に必要なのは、いつも完成した答えだけではありません。

今どこで迷っているのか。
何が論点だと思っているのか。
何を確認すれば判断できそうなのか。

そうした思考の途中を共有することも、会議を前に進める大切な発言です。

解決策を出せなくても、現状を言葉にできる

たとえば、業務を効率化するための会議をしているとき。

そのとき、いきなり、

システムを変えるべきか。
担当者を増やすべきか。
手順を見直すべきか。

と解決策を考え始めると、論点が一気に広がります。

でも、最初から解決策まで出す必要はありません。

まずは、

「ここで手入力が発生しています」
「同じ情報を、別のシステムにも転記しています」
「この確認作業に、毎回時間がかかっています」
「担当者によって、判断が分かれています」

と、今起きていることを言葉にするだけでもよいのです。

誰かが現状を言葉にすると、ほかの参加者も同じ前提を見られるようになります。

「たしかに、そこが負担ですね」
「こちらの部署では、別の作業も発生しています」
「問題はシステムではなく、判断基準が曖昧なことかもしれません」

そのように、話を積み上げられるようになります。

解決策を出す人だけが、会議に貢献しているわけではありません。

現状を整理する人。
問題を言葉にする人。
前提の違いに気づく人。
判断に必要な情報を示す人。

こうした役割も、会議には必要です。

事前準備では、結論だけでなく違和感を書いておく

その場で意見を求められることが苦手な人は、会議の前に準備をしていることも多いと思います。

ただし、準備するときに、発言内容をきれいな結論に固めすぎると、想定外の話が出たときに対応しにくくなることがあります。

そこで、まずは、自分の中にある違和感やもやもやした気持ちを書き出しておきます。

  • 気になっていること
  • 関係しそうだと思うこと
  • なんとなく違和感があること
  • 個人的な感覚かもしれないが、見過ごせないこと
  • 判断するために確認したいこと

書くときには、考えが整理されていなくてもかまいません。

その違和感が、最終的な結論にどう影響するかも、決まっていなくて大丈夫です。

結論を急ぐ前に、自分の中にある手ごたえや違和感を、一度言葉として外に出しておく。

そうすることで、急に意見を求められたときも、ゼロから答えを作るのではなく、自分がすでに考えていたことを手がかりにして話しやすくなります。

意見には、絶対的な正しさは存在しません。

それぞれの人が感じる、「これは嫌だ」「こうあったらいいのに」「こうしたほうがいい」という、その人なりの物事の受け取り方について意見交換するのが会議なのです。

自分なりの物事の受け取り方について、自分の考え・言いたいことをまとめるとき、外側の状況だけでそれが決まるわけではありません。

自分が何に引っかかっているのか。
何を見過ごしたくないのか。
何を大切に判断したいのか。

そこにも、自分の意見の材料があります。

会議で必要なのは、完成した正解だけではない

会議で言葉に詰まるのは、考えがないからとは限りません。

結論になる前の情報や感覚が、頭の中にたくさんある。

それを整理しながら、その場で話すことに難しさを感じているのかもしれません。

そんなときは、完成した意見を出そうとしなくても大丈夫です。

まずは現状を言葉にする。
気になっていることを伝える。
何を確認したいのかを示す。
考えている途中を共有する。

それも、十分に会議への貢献です。

「どう思いますか?」に、すぐ答えられなくてもいい。

答えを出す前に、考えるための材料を場に置くことから始めてもよいのです。

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