生成AIを使うのが当たり前になりましたね。
私自身も、仕事でもプライベートでも、かなり使い込んでいます。
そして、生成AIが当たり前になった現在、私自身、以前とはロジカルシンキングの教え方が変わってきました。
以前なら、
「まず事実と意見を分けましょう」
「結論と根拠を整理しましょう」
「この型に沿って考えてみましょう」
と、一つずつ人間が理解し、それをすべて文章の形にしていくことを前提に、やり方やコツをご紹介していました。
でも今は、「ロジカルシンキングを学びたい」とやってきた方が、生成AIを使うことを前提に、
「うまくまとまっていなくてもいいので、そのままAIに話してみてください」
ということすらあります。
そのくらい、生成AIの、
・事実と意見に書き分ける
・論点を整理する
・相手に伝わる、ストーリー、展開、話の順番を構成する力
は優れています。
私自身も、ここは生成AIにはかないません。
では、生成AIの時代、ロジカルシンキングはいらなくなるのでしょうか。
私は、むしろ逆だと思っています。
「組み立てる力」だけがロジカルシンキングではない
これまでは、
情報を整理する
論理を組み立てる
文章にする
そのかなりの部分を、人間が自分でやっていました。
今は、途中の作業をAIに任せることができます。
だから、人間が何もないところから、全部を自力で考え切って文章にする必要は減っていくと思います。
でも、その代わりに必要になることがあります。
AIが出してきたものを見て、
「この結論と理由、本当につながっている?」
「相手が知りたいことに答えている?」
「大事な前提が抜けていない?」
「この情報から、そこまで言っていいの?」
「そもそも、今回考えるべきことはこれ?」
と確認することです。
AIは、かなりもっともらしい文章を作ります。
しかも、文章として大変整っています。
だからこそ、
「なんとなく、それっぽいから大丈夫そう」
と受け取ってしまいやすい。
でも、
きれいに整理された文章と、ちゃんと考えられた文章は同じではありません。
AI時代は、「作る」より「レビューする」場面が増える
AIを仕事で使うほど、人間の役割は少し変わっていきます。
全部を自分で作る人から、
AIが作ったものを理解して、
問題がないか確認し、
何を採用するか判断する人へ。
たとえば、AIに数字のシミュレーションを作らせれば、以前なら何時間もかかったものが短時間で完成します。
でも、完成した数字が本当に正しいのか。
前提条件は妥当なのか。
この数字を使って意思決定してよいのか。
そこは、人間が確認しなければなりません。
そのとき必要なのが、
・事実と解釈を分ける
・結論と根拠のつながりを見る
・前提の抜けを確認する
・相手の問いに答えているかを見る
といった、ロジカルシンキングの基本です。
AIが論理を組み立ててくれるから、ロジカルシンキングが不要になるのではありません。
AIが組み立ててくれるからこそ、それを読んで判断するためのロジカルシンキングが必要になる。
私は、そんなふうに感じています。
ロジカルシンキングが苦手な人には、むしろいい時代かもしれない
これは、ロジカルシンキングが苦手だと感じている人にとっては、悪い変化ではないと思います。
最初から自分一人で、完璧にできなくてもいい。
言いたいことがうまくまとまらなくてもいい。
AIに一度整理してもらってから、
「これは違う」
「ここは言いたかった」
「この理由では弱い」
「この前提が抜けている」
と見ていけばいい。
自分でゼロから全部作ることと、AIが作ったものを見ながら考えることでは、難しさが違います。
AIを練習相手にしながら、ロジカルシンキングを使うこともできるようになったのです。
だから、AI時代のロジカルシンキングは、
何もないところから、完璧な論理を一人で作るための技術ではなくなっていくのかもしれません。
AIの力を借りながら、
何が正しいのか。
何が足りないのか。
何を直すのか。
最終的に何を採用するのか。
それを自分で判断するための技術へ。
AIによって、ロジカルシンキングは不要になるのではなく、
必要になる場面が変わってきている。
私は今、そう考えています。


