問題解決

うまくツリー状にできないときに注意するポイント

渡辺まどか
渡辺まどか
こんにちは。
渡辺まどかです。

「問題解決」に焦点を当てた
長期シリーズをお届けしています。
(過去の記事を読み返したい方はこちら

今日はその20回目です。
現在、MECE
(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)
漏れなくダブりなく、について解説をしています。

MECEに考えるためのフレームワークのうち、

「A or Not Aで考えてみる」
「プロセスを考えてみる」
「四則演算で分解してみる」
「フレームワークを使ってみる」

の4つをご紹介しました。

そして前回は、「自分で考える」を
ツリー状にしていく方法

①    一言で言うと?(抽象化)
②    その他には?(横展開)
   具体的には?(具体化)

をお伝えしました。

 

今回は、
「自分で考える」がうまくいかない時、
注意してほしいポイントを
3つご紹介していきます。

 

①「一言で言うと?(抽象化)の納得感

食べものの例では、
「りんご」「みかん」「バナナ」
という3つのキーワードに対して、
「くだもの」というグループ名を付けるのは、
99.9%の人が異論のなしと言うでしょう。

しかし、

「人手が足りない」
「スキルがない」
「納期が遅い」

という3つのキーワードに対して
グループ名を付ける場合にはどうでしょうか?

 ● 業務効率が悪い?
 ● 組織体制が不十分?
 ● 人材育成の仕組みがない?

どれもピンときませんね。

そもそも、
この3つをグループにすること自体に
違和感を感じることでしょう。

 

「一言で言うと?(抽象化)」のポイントは、
自分だけでなく、
このツリーを共有して議論する相手にとっても
違和感がないグループ分けをすること

そして互いにとって
納得感のある
グループ名を付ける

(=一言で言う)ことです。

 

ここで言う「納得感」は、
相手と自分がその物事に対する
同水準の知識を持っていて、
言葉の定義や使い方について
似たようなとらえ方ができているか
どうかに依存します。

 

簡単に言うと、
付き合いが長いとか、
似たような知識・経験を持っている人とは
比較的「納得感」の
すり合わせがしやすい一方、


逆の場合はよほど慎重に行わないと
「納得感」にたどり着けないということです。

 

センスの良さで「一言で言うと?(抽象化)」
ができる人もいますが、
それは一握りの人に限られたこと。

 

センスに依存せず技術として身につけるためには、
このツリーをもって誰に説明しに行くか、
 その人はどんな人で、
 これまでに何を経験し、
 どう考えるのか?

イメージしながらツリーを作る
という練習をしていただくことを
おススメします。

②情報のレベル感

情報のレベル感とは
「②その他には?(横展開)」するときの
キーワードの粒度に
気を付けるということです。

「りんご」「みかん」「バナナ」は
同じレベル感ということは、
これもまた疑う人は少ないだろうと思います。 

では、
「りんご」「みかん」「くだもの」だとしたら?


「くだもの」だけ、ちょっとくくりが大きな
キーワードに見えると思います。

 

「くだもの」と同じレベル感
として並べるとしたら、
やはり「野菜」の方がいいですよね。

 

これもまた、
食べ物をはじめとした一般名詞だと
レベル感の見分けは簡単なのですが、


●人手が足りない
● スキルがない
● 納期が遅い  などの、

仕事上良く出てきそうな問題点を
キーワード化したものに置き換えてみると、
判然としなくなります。

もし、レベル感に困ったら、

渡辺まどか
渡辺まどか
その時点でそのキーワードについて
「③具体化すると?」を
先にしてみる方がいいでしょう。

「人手が足りない」というのは、
人数が足りないのか、
必要なスキルを持った人員がいないのか、
特定の職位の人員がいないのか

 

「スキルが低い」も、
誰のスキルが低いのか、
何のスキルが低いのか、
どの業務・タスクを行うときの
スキルが低いのか。

 

「納期が短い」だとしたら、
どのプロセスの納期が短いのか

 

最初に書き出したキーワードそれぞれに対して
「③具体化すると?」をやってみてください。

 


そして具体化したキーワードで改めて
つまり①一言で言うと?(抽象化)と
②その他には?(横展開)を、
まっさらな状態からやりなおすのです。

 

ちょっと面倒ですが、
試行錯誤するのは当たり前、
くらいに思って気長に
取り組んでいただきたいと思います。

 

③具体化の抜け漏れ

「③具体化すると?」を行う際に
気を付けていただきたいのは、
具体化した先に抜け漏れがないか
という点です。

 

先ほどの食べ物の例では、
「野菜」を「ごぼう」「人参」「大根」
と具体化しました。

 

しかし、その3つだけが「野菜」
と言うわけではありません。


なすは?キャベツは?おくらは?と、
ほかの野菜が具体化の中で挙げられていない
ことが気になりますよね。

 

具体化するときには、前回までにご紹介した

「A or Not Aで考えてみる」
「プロセスを考えてみる」
「四則演算で分解してみる」
「フレームワークを使ってみる」

を使って具体化すると抜け漏れが
発生しにくくなります。

 

また、
このツリーが何を対象にしたツリーなのか
確認することも重要です。


例えば、
「スーパーで売られているもの」を
ツリーにするのであれば、

徹底的に網羅的に野菜を
具体化して書き出さなければなりません。

おそらく、野菜だけで100品目
くらいになってしまうでしょう。

 

しかし、「渡辺家のお雑煮入っているもの」
をツリーにするすると、
「ごぼう」「人参」「大根」のほかに、
「白菜」があればもれなくダブりなくなります。
(我が家のお雑煮は、鶏肉と野菜の
 具たくさんごった煮スープなので…)


もし、ツリーを共有する相手と
「これが抜けている、あれが抜けている」
という議論になるようであれば、

渡辺まどか
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そもそもこのツリーで考える対象がどこまでなのか?」を
確認してみるとよいでしょう。

 
このように「自分で考える」は、
やることは単純なのですが、
実際にやろうとすると難しい。

 

先ほど、「私もいまだに試行錯誤する」
という話をしましたが、


書き出してみてなんかうまくいかないから
まっさらな状態から再構築する、
一つ一つの要素を、
あちこち移動させてみたり、
表現を変えてみたりを何度も繰り返すのが
「自分で考える」という手法の難しさであり、
醍醐味だったりします。

そもそも、ああだこうだと
行ったり来たりするものなのだ、
最初から100点のものができるわけではないと
覚悟していただいて、

 

悩みぬく、
しかし取り組むハードルは低くして
何度も取り組んでといただきたいです。

 

その悩みぬくプロセスが、
皆さまの思考力を育みますから。

 

やっているうちに
正解がわからなくなるかもしれません。

渡辺まどか
渡辺まどか
その時は、私も一緒に考えます。
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