渡辺まどかです。
「問題解決」に焦点を当てた
長期シリーズをお届けしています。
今回はその15回目です。
1回目:
「問題」とは何か?
3回目:
問題解決のステップ全体像
4回目:
現状を書き出す
5回目:
理想・あるべき姿を定義する
6回目:
問題を定義するときの注意点
7回目:
認知バイアスを回避するために
番外編:
認知バイアスが働いた問題定義の事例
8回目:
問題を細分化する
9回目:
取り組みやすい問題に言い換える
番外編:
因果関係図
10回目:
自分の本音を確認する
11回目:
自分の本当にやりたいことを見つめる
12回目:
ブレーキをはずして次の一歩を踏み出す
13回目:
取り組むべき本当の問題
14回目:
仕事の問題と「私」の問題の切り分け
前回までで、
やっと問題解決として
取り組むべき問題を定義する
ところまで行きつきました。
問題を定義したら、
さあ原因と対応策を…と
考えたくなると思いますが、
ごめんなさい。
もう少しだけ問題について
触れさせてください。
問題を細分化してみる
私にとっての問題が何かわかると、
原因を、さらには原因もすっ飛ばして
対応策を考えたくなるのが人の性です。
しかし、
おいしい料理をするのに
下ごしらえが必要なように
スポーツでパフォーマンスを発揮するには
地道な基礎練習が必要であるように
問題をいかに具体的に
細かく細分化するかが、
質の良い対応策に繋がってきます。
第3回の記事でも触れた通り、
問題の具体化・細分化が足りないと、
「なんでそれをやろうと思ったの?」
「他に選択肢はなかったの?
○○という方法だってあるんじゃない?」
と指摘されたり、
「一般論で当たり前」
「実現性の低い」
アイデアしかでてきません。
問題を定義したら、
今度は細分化です。
細分化する際には、いわゆる、
ロジックツリーを使って、
問題をツリー状に分解
していくことになります。
ロジックツリーを使って考える
少し専門的な話になりますが、
ロジックツリーとは、
枝葉が広がるにしたがって、
より細かく・具体的に細分化していく
考え方です。
ロジカルシンキングの書籍等で
よく見かけるのは
「なぜ?」を繰り返すタイプのものですが、
今回問題の細分化で用いるのは、
「具体的に言うと?」を
繰り返すタイプのものです。
問題を定義したら、
それをより具体的に細分化していきます。
細分化する際には、
What(具体的に何が)
Where(どの場所で、どの組織で、どのプロセス・手順で)
Who(誰の、どの部署の)
という観点を用いるとよいでしょう。
例えば、
「チームの若手が育たない」
という問題を定義したのであれば、
そのチームに所属している誰の問題か?を
細分化する必要があります。
若手が育たないのには、
若手の努力不足だけでなく、
チームリーダーの指導不足も
含まれているからです。
Who(誰の、どの部署の)
の観点ですね。
また、「チームリーダーの問題」でも、
さらに具体化して考えると
・教える時間が不足しているのか
・教え方がわからないのか
・教えることを仕事のうちに
とらえていないのか
それぞれ別の問題であると言えます。
What(具体的に何が)の
観点での細分化です。
さらに、
「教え方がわからない」という問題でも、
例えば今回の問題で対象となる業務が、
計画⇒準備⇒実施⇒振り返り
という手順で行われている場合、
どの段階についての教え方がわからないのか、
と細分化することも可能です。
問題の核をとらえてから次のステップへ
このようにして、問題を漠然と捉えず、
できるだけ具体的に細分化して、
「チームリーダーが、計画の立て方を
どうやって教えればいいかがわからない」
が問題の核なのだ、
というところまで細分化できれば
そこから原因と対応策を
考えることはとても容易なことなのです。
What/Where/Whoを
どの順番で組み合わせるか、
何階層まで細分化するかは、
ケースバイケースです。
ただ一つ言えることは、
できる限り問題の細分化の段階で
粘っておいた方が、質の良い原因・
対応策が見つかるということです。
という心づもりで
ツリーを作成していただくことを
おススメします。
もう一つ、ツリーを作る時に
忘れないでいただきたいのが、
「問題に直接かかわることだけ
細分化しようとしない」
ということです。
例えば、
「チームの若手が育たない」
という問題の場合、
若手ばかりに焦点を当ててしまうと、
視野狭窄になり、
問題が矮小化されてしまいます。
若手が育たないのは、
若手を育てる側にも問題があるのだ、と
その問題にかかわるものごとを広く、
抜けもれなく考える必要があります。
抜けもれなく考えるための技術(MECE)
についてご紹介したいと思います。