問題解決

問題の解像度が上がる!四則演算の使い方

渡辺まどか
渡辺まどか
こんにちは。
渡辺まどかです。

 

「問題解決」に焦点を当てた
長期シリーズをお届けしています。
(過去の記事を読み返したい方はこちら

 

今回はその18回目です。
現在、MECE
(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)
漏れなくダブりなく、について解説をしています。

 


MECEに考えるためのフレームワークのうち、

「A or Not Aで考えてみる」
「プロセスを考えてみる」

の2つをご紹介しました。

 

 


今回は、「四則演算で分解してみる」
について、みてみたいと思います。

 

 

四則演算で分解する方法

四則演算とは、
足す・引く・かける・割る
ということです。


四則演算は、
–       金額(売り上げ、コスト、利益…etc)
–       数量(販売数量、在庫量…etc)
–       時間の長さ(~にかかる時間)
–       KPI(Key Performance Indicator
  =重要業績指標) 
   
など、定量的なものを、
分解するのに向いています。

 

 
例えば、「我が社の売上」を
「足す」を使って表現すると、

 

このように分解することができます。
(「我が社」が国内事業だけでなく
海外事業をやっていることが前提です)

「足す・引く・かける・割る」を使う
様々な物事が分解できます。

 

 
同じ売上でも、「かける」を使うことで、

と分解することもできます。


「引く」や「割る」を使うと、利益や利益率を

 

 

このような形で分解することも可能です。

 

 
これを組み合わせていくと、
下図のような形に、
ツリー状にすることができます。
(実際にはもっと細かく分解する必要がありますが、
 ここでは例示として
簡単なツリーにしてみました。)

 

 

漠然と考えるのではなく、
より細かく分解していく
ツリーの段数を増やしていく)ことで、

 


具体的にどこに問題があるのか
どんな手を打てばいいのか

を考えやすくなります。

 

 

四則演算で分解する具体例

例えば、

「なんか売上が上がらないんだよな~」
という場合に、


「どうやったら売上が増えるだろうか?」
とすぐ打ち手を考えるのではなく、

どの商品の売上が増えていないのか?
商品別に考えてみる

さらに、商品Aの中でも、
どこで売られているのか
どの時間帯に売られているのか

など分解のレベル感を増やしていく

問題を具体的に特定することができるのです。

また、ツリーの幅を増やしていく
(=同じレベルで他に何があるかと考える)
ことで、


「これ以外にも他に問題点があるのではないか?」
と視野狭窄を防ぐ働きもあります。

 

例えば、
「コスト削減しなければならないだけど…」
という場合にも、

 


どの勘定科目がどのくらい増えているのか
確認してみると、
すぐ思いつくコスト削減項目以外にも、
削減できる項目がみつかるかもしれません。

 

四則演算を使ってツリーを作ることは、

どこに問題があるのか考える
解像度を上げることになるのです。

 

四則演算を使う時の注意点

四則演算を使うときに
気を付けなければならない点は、
「かける」「割る」は必ずMECEになるが、

 

「足す」「引く」は要素が抜けると
MECEにならないという点です。

 

例えば、上図では、
利益を売上とコストに分ける部分は
引く」を使っていますが、
それ以外は全て「足す」を使っています。

 

この場合、売上を分解するときに、
商品A・B・Cの3つを挙げていますが、
それ以外にも商品があるときは、
抜け漏れが発生していることになります。

 

コストに関しても同様です。
上図ではコストの中に、
「その他」が入っています。

 

「その他」を入れるとツリーの上では
MECEになるのですが、実際には「その他」は
いろいろ入っているから考えなくていい
という
抜け漏れを許容するための便利な項目
になりがちです。

 

面倒でも、「その他」の幅を
できるだけ小さくするよう、
具体的な項目として
書き出すようにしてください。

 

 
「かける」「割る」の場合も、
きちんとそれが何を指しているのか
定義しなければ抜け漏れにつながります。

 

 
例えば、

売上 = 客単価 × 人数

としましたが、
複数の店舗を持つ企業の
「全店舗を合わせた年間総売上」
だった場合には、


1店舗当たりの平均として
客単価や顧客数を加味しなければなりません。

 

 きちんとMECEにしようとすると、
一つ一つの要素が平均なのか合計なのか、
どの期間の平均なのか合計なのかを考えないと
抜け漏れが発生してしまいます。

 

このあたりは、「A or Not A」や
「プロセス」よりも少し扱いが
難しいところです。

 

とはいえ、四則演算が使いこなせると、
MECE度がぐっとアップしますので、

渡辺まどか
渡辺まどか
ぜひ身の回りの定量的な指標を四則演算で分解できないか
チャレンジしてみてください。。

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