渡辺まどかです。
今回からこの記事では、
「自分の頭で考え、自分の言葉で
思いを伝えられる人を育てる」
をテーマに、
考え方や技術についてご紹介していきます。
切り口は、
自分の子育てや
セミナーで受講してくださる方に対して、
どういうスタンスで「育てているのか」ですが、
だけでなく、
にもお役に立てる記事にしていければと思っております。
意見を言える人になるために
今回のテーマは、
意見の言える人を育てるために、
大切にしなければならないもの
です。
自分の頭で考え、
意見を言える人を育てるために、
まず一番に覚えておいていただきたいのが、
相手の気持ちと自分の気持ちを大切にする
ということです。
なぜなら、意見の源とは、外界から受けた刺激が、
「快」なのか
「不快」なのか
という感情だからです。
自分がどう感じたかを疎かにすると、
を基準にした意見しか言えなくなります。
そうすると相手は、
その「常識や教科書・マニュアルを理解している範囲」
では意見を言えますが、
理解していないと途端に意見を言わなくなります。
間違うのが怖いからです。
「お眼鏡に適うか」を基準にすると、
あなたの顔色を窺って意見を言うようになります。
反応を見て忖度して意見を言うのです。
教科書やマニュアルが機能するのは、
私たちが直面する生活や仕事の中の、
極々わずかなシチュエーションにすぎません。
生活も、人生も、仕事も、
自分で考えて自分で答えを
出さなければならないことばかりです。
「意見を言えない」理由
これを読んでくださっているあなたも、
自分の頭で考え、自分の意見を持ってほしい
と思っているのではないでしょうか?
なぜ、
とやきもきすることすらあるかもしれません。
「なんで自分の意見を言わないのか?」
と怒っても意味はありません。
相手はこれまでの人生の中で、
あなたとの関わりの中で、
「自分の気持ちを言うのはよくない」
と繰り返し学習してきたのです。
もし、相手に
「自分の頭で考え、自分の言葉で意見を言う」ことを
期待するのであれば、
「どんな内容の意見を言うか?」
という結果よりも、
「その人が何を感じたのか?
それを踏まえてどう考えたのか?」
というプロセスを、
何よりも大切にする必要があります。
にもかかわらず、
実は育てる側である私たちもまた、
自分の気持ちを大切にして考え、
行動することを疎かにしてきました。
自分の気持ちよりも、
を大事にしてきました。
その結果、
自分の子どもや部下や後輩が、
自分の感じた気持ちをベースに
意見を言ったり行動したりしたときに、
その気持ちを「わがままだ」「間違っている」
と無視したり押さえつけたりしてきたのです。
気持ちを無視され、押さえつけられた
子どもや部下・後輩は、
「自分の気持ちを言うのは良くない」
と学習します。
その結果、
● 自分の意見を言わない
● 自分の意見がない(ように見える)
● 親や上司の想定の範囲内の意見しか出ない
という現象になるのです。
相手の気持ちを大切にするってどういうこと?
もし、子どもや部下・後輩に、
「自分の頭で考え、意見を言う力」
をつけて欲しいならば、
常に
「気持ちを大切にする」関わりをするのだ
と、覚悟を決めてください。
都合の悪いときにもです。
そして、
相手の気持ちを大切にするためには、
自分の気持ちを大切にすることが欠かせません。
自分の気持ちを大切にせず、
気持ちを押し殺し続けていると、
「気持ちを大切にするコミュニケーション」は
気持ち悪くて腹が立って受け入れられない、
実践できないからです。
まずは、
自分の気持ちを感じ、眺め、
言葉にするところからスタートしてみましょう。
特に、怒り、嫉妬、恨み、不安、恐怖…等の
ネガティブな感情は、
「感じるのはよくない」
「感じると不快だ」
と押さえつける傾向が強いです。
ネガティブな感情こそ、
自分はどう感じたのかと向き合うことで、
大きな学びが得られます。
いま自分が感じているのはどんな気持ちか?
まずは感情を分類するところから始めてみましょう。
あなたが感じているのは、
怒りでしょうか?
それとも、悲しみ?悔しさ?嫉妬?不安?
感情が分類できたら、
今度はより具体的に見ていきましょう。
その気持ちを感じるのは、
何に対して、誰に対してでしょうか?
具体的に、どの部分に、どの行動に、
その気持ちを強く感じるのでしょうか?
その気持ちは、どれくらいの強さのものでしょうか?
大きさに例えたら?温度に例えたら?
他にも、同じような気持ちになったことはあるでしょうか?
その時と比べて、違うポイントはなんでしょうか?
このように、
自分のネガティブな感情と
向き合うことを続けていると、
相手の気持ちを大切に、
寄り添うことの意義が
腹落ちするようになるはずです。
人を育てるために、自分を育てる。
人を育てるからこそ、自分が育つ。
そのために取り組んでほしいです。
人を育てることに悩んでいる方、
もしよかったら悩みを聞かせてくださいね。