ロジシンコラム

「高付加価値」ってなんですか?【ロジカルシンキングコラム】

渡辺まどか
渡辺まどか
こんにちは。
渡辺まどかです。

 

普段、ロジカルシンキングを教えている私ですが、
受講者さんとお話していると、マーケティングの話題を
避けて通れないことがちょくちょくあります。

ということで、今日は、受講者さんからいただいたご質問
「高付加価値ってなんですか?」
について考えてみたいと思います。

ちょっと専門的な話になりますが、
仕事の中で「高付加価値」というキーワードを
資料の中で見かけたことがある方、

自分が資料を作成するときに「高付加価値」という
キーワードを使ってしまうという方、
ぜひ、一緒に「高付加価値とは何か?」について考えてみましょう。

 

実は誰も知らない「高付加価値」の意味

ビジネスシーンでよく使われる言葉に、
「高付加価値」という言葉がありますよね。

私は仕事柄、企業で使われる資料を拝見することが多いですが、
組織の方針や戦略を記した資料には、
最低1個は「高付加価値」という言葉が使われています。

ところが、
「高付加価値」とはどういうことですか?
と問いかけても、納得のいく答えが返ってくることはまずありません。

つまり、

価値とは何か?
何をすれば価値を上げることができるのか?

が十分理解されないまま、「高付加価値」という
キーワードだけが独り歩きしている状態です。

渡辺まどか
渡辺まどか
大丈夫、「トップがふんわりとして具体性の伴わない戦略を掲げ、具体化や実行方法の模索は現場へ丸投げする」という現象は、あなたの組織だけで起きているわけではないですよ!!

(あまり慰めにもなりませんが!苦笑)

 

 

そもそも「価値」とは何か?

 

高付加価値というキーワードを考えるにあたり、
そもそも価値とは何かについて目を向けてみましょう。

「価値」の最も原始的な姿は、
誰かが「これは役に立つ、ありがたい」と感じること、です。

ビジネスの文脈で言えば、
顧客が、「この商品・サービスは、自社の役に立つ」という
評価を下すということですね。

ここで注意しなければならないのは、
役に立つと感じるのは顧客であるということです。

いかに、
「自分たちはすごい商品・サービスを開発した!」と自負していても、
顧客が「役に立つ、ありがたい」と感じなければ
価値として認識されないのです。

では、顧客が「役に立つ、ありがたい」と感じるのはなぜか?

自分たちでは解決することのできない、
悩みや痛みを解決する手段を提供してくれるから、

自分たちではかなえることのできない、
欲望・欲求を満たす手段を提供してくれるから

だから、役に立つ、ありがたいと感じるのです。

 

 

高付加価値とは誰も満たしていないニーズを満たすこと

 

マーケティングの世界では、顧客が感じる
「悩み・痛み、欲望・欲求」のことを「ニーズ」と言います。

顧客のニーズ、つまり「悩み・痛み、欲望・欲求」が生まれるのは、
理想と現実が乖離しているからです。

例えば、「健康診断でD判定(要再検査)になってしまった」は、
ニーズではなく、顧客が直面している現実です。

その顧客が何に悩み・痛みを感じているかというと
「本来は、将来の健康状態に不安を感じない状態でありたい」という
理想を持っているのに、「D判定になってしまった」という
現実とのギャップの間で、「将来の自分の健康状態が不安を感じる」という悩み、
どうすれば、自分が将来の不安を取り除けるだろうか?と考えることこそが、
ニーズなのです。

そして実は、価値とは、
この顧客の悩み・痛みを解消する/欲望・欲求を満たすために自社が提供できること
のことを指します。

先ほどの例に沿って考えるならば、
「将来の不安をなくすために、あなたの現在の生活習慣を変えるお手伝いをします」が、
自社が提供できる価値となります。

もし、既存の商品・サービスによって満たされていない
顧客のニーズ(悩み・痛み、欲望・欲求)があり、
自社だけがそれを満たす価値を提供できるとき、
「高付加価値である」と言えます。

高付加価値を実現するためには、
「市場にある既存の商品・サービスではまだ満たされていない
顧客の悩み・痛み、欲望・欲求」を見つけ、
そこに対して自社が提供できるものがある必要があるのです。

 
 
 

顧客のニーズを起点に、商品・サービスを設計する

 

さらに、その「価値」を実現する手段を具体化したものが、
商品・サービスとなります。

しかし、その「価値」を実現する手段は、実は様々なものが考えられます。

将来の不安をなくすために、
あなたの現在の生活習慣を変えるお手伝いをします

という価値を実現するための具体的な手段には、


・食習慣の改善をアドバイスする(=アドバイザリーサービス)

・食習慣を整える食事を提供する(=飲食店やフードデリバリー)

・定期的な運動を促すリマインダーを提供する(=アプリ)

・定期的な運動を実現する場所を提供する(=フィットネスクラブ)
…etc

など、様々なものがあります。

その中で、自社のリソース(人・モノ・金・情報)を使って
実現できるものが、自社が提供する商品・サービスなのです。

よく勘違いされることですが、
機能性や技術力を追求することが高付加価値なのではありません。

自社にどんなに優れたアセット(例えば真似できないと思うような技術)が
あったとしても、顧客が「この商品・サービスは、私の(私の組織の)
こんなニーズを満たすものだ!」ということを認知していなければ
高付加価値だと認識されず、高いお金を払ってもいいと
思ってもらえないということです。

商品・サービスを提供する立場だと、
つい「いいものを作れば売れる」と独り善がりの
考え方をしてしまいますが、
顧客のどんなニーズに応えるのか?を起点にせずに、
技術力・商品力をアップしても、高付加価値にはならないのです。

ちなみに、似ている言葉で「差別化」というキーワードがありますが、
こちらも、「顧客の側から見て、競合とは違うと感じられる価値を
提供できている」ときに、「差別化できている」ということになります。

ロジカルシンキングにおいて大事なことは、
「なんとなくわかった気になっている」で終わらせないということです。

自分の言葉で説明できるくらいに、
そのキーワードや関連する情報について学び、
自分の体験と結びつけて考える。

 

渡辺まどか
渡辺まどか
「ふんわりとした方針」から抜け出したい方は、
学びと体験との結び付け(振り返り)を合わせて実践してくださいね。

 

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