コミュニケーション

「あなたと一緒に仕事がしたい」 人の心(感情)を揺さぶるロジカルシンキング的伝え方

渡辺まどか
渡辺まどか
こんにちは、渡辺まどかです。

あなたはこんな経験をしたことはありませんか?

  • 「新しくできた部下が思うように動いてくれない」

  • 「企画の提案や仕事の依頼をしても相手にYESと言ってもらえない」

実は、先日私の元にあるメールが届きました。
嬉しいご提案のはずなのに、全く心に響きませんでした。

なぜ、響かなかったのか?

今回は、その理由を紐解きながら、
どうすれば「あなたと一緒に働きたい」と言ってもらえるのか?
を解説していきたいと思います。

なぜ、そのメールは私の心に響かなかったのか?

そのメールとは次のような内容でした。
(実際の文面に編集を加えております)

自分の仕事の発展に大きく繋がりうるお仕事のご依頼であり、
普通なら喜ぶべき内容かもしれませんが、私は心には響きませんでした。

渡辺まどか様

突然のお問い合わせ、失礼いたします。
私は・・・のAと申します。

現在、弊社で、管理職候補者向けのロジカルシンキングの
eラーニングコースを企画・構想しております。

1)対象者
 弊社に所属する、全管理職候補者

2)コースの目的
 ロジカルシンキングを身に着け、
 管理職にふさわしいコミュニケーションをとれるようになる

3)コースの概要
 20時間で完了するeラーニングコース+確認テスト
 全体で5章程度の分量とする

4)その他
 弊社の管理職候補者での効果を検証し、
 問題がなければグループ会社へも横展開をする

その講座の開発等におきまして、
渡辺様にコンテンツの作成をお願いしたく存じます。

ぜひ一度、お打ち合わせのお時間をいただけますでしょうか?
場所は、渡辺様のご都合のよろしい場所に伺わせていただきます。

お返事を頂けましたら幸いです。よろしくお願い致します。

オファーの内容に不服だったわけではなく、
メールの送り主(仮にAさんとします)のメールの文章が私の心に響かなかったです。

では、なぜ私の心を動かすことができなかったのでしょうか?

人の心を動かすために必要なこと

人の心を動かすためにはどんな伝え方をすればいいのでしょうか?

結論から先にお伝えすると、

  • 「ロジカル」な要素
  • 人の「感情」を動かす要素

この2つが必要不可欠です。

人の心を動かすためには両方が必要なのですが、
残念ながらどちらか片方しかできていない人が多く見受けられます。

「ロジカル至上主義な人」と「感情で仕事をしてきた人」

私のロジカルシンキングのセミナーに参加してくださる方は30代から40代の方が多いです。

リーダーや管理職になる手前でロジカルシンキングが必要と感じたり、
部下をもったけれど、思うように動いてくれない、どう伝えればいいかわからない
というような方がいらっしゃいます。

今回のメールのような「人の心を動かすため伝え方ができない人」には大きく2タイプの人がいます。

それは

  1. ロジカル至上主義な人
  2. 感情中心で仕事をしてきた人

の2タイプです。

簡単にどんな人なのかを解説すると次のような人です。

①ロジカル至上主義な人

ロジカルに事実や主張さえ話せば通じると思い込んでいる。

論理立っていることが最優先で、個人的な意見や感情は不要と考えている。

②感情中心で仕事をしてきた人

感情・気持ちを大切にして、人と協力してチームで仕事をすることを重きを置いている。

ただし、ロジカルさに欠けており、ムラがあり、表現がわかりにくい。
何を言いたいのかかわからなかったり、何をしたいのかはっきりしない。

繰り返しになりますが、「ロジカル」「感情」の両方の要素がないと、
相手の心を動かし、気持ちよく動いてもらうことができません。

では、続いて「ロジカル」「感情」の両方を伴う説明ができるようにするために、
「ロジカル」「感情」それぞれの要素を見ていきたいと思います。

ロジカルな説明をするには何が必要なのか?

では、ロジカルに説明するには何が必要なのでしょうか?

私は大きく次の3つが必要と考えます。

  1. 言いたいことがはっきりしている
  2. 具体的に説明できている
  3. つながりを説明する

「①言いたいことがはっきりしている」とは、
いわゆる要約ができているかどうかということです。
「②具体的に説明できているか」とは、
例えば、データや客観的な事実であったり、事例のことです。

①②は割とイメージしやすいと思いますが、
「③つながりを説明する」について少し補足したいと思います。

「つながりを説明する」とは?

「③つながりを説明する」とは、
例えば、「根拠」と「根拠」のつながりであったり、「根拠」と「主張」のつながりを説明してあげることです。

いくら言いたいことがはっきりしていても、いくら具体的であっても、そのつながりが説明できていなければ、論理的であると言えません。

例えば、「なぜ、青信号は渡ってよくて、赤信号が渡ってはいけないか?」という主張に対して、単に「ルールだから」ではなく、その根拠をきちんと説明ができますか?

私事ですが、子どもを育てていると、子どもからそういう素朴な質問をたくさんされます。

  • 「なんで戦争をしちゃいけないの?」
  • 「なぜ人を殺しちゃいけないの?」

聞かれると意外と説明できないことがたくさんあったりします。

大人になっていく過程の中で、多くの人はそういうものだと思って考えるのをやめてしまいます。

めんどくさがったり、「他に考えなきゃいけないことがあるし」と忙しいことを理由に思考をやめてしまっているので、急に「説明して」と言われても、意外と説明ができないことが多いです。

それを相手にきちんとわかってもらうためには

「根拠」と「根拠」のつながり

「根拠」と「主張」のつながり

をきちんと言葉で伝える必要があります。

つながりの説明については、こちらの記事でも詳しく紹介しています↓

ダイバーシティ×ロジカルシンキング「相手の心を動かす論理的なコミュニケーションの技術」【イベントレポート】 あなたはどんな場面でロジカルシンキングを活用したいとお考えでしょうか? ロジカルシンキングは仕事だけではなく、社会課題解決にも使え...

人の心(感情)を揺さぶるのに必要なこと

先ほどお伝えしたロジカルな説明をするための3つのポイント

  1. 言いたいことがはっきりしている
  2. 具体的に説明できているか?
  3. つながりを説明する

このポイントを伝えれば、確かにロジカルな説明をすることはできますが、
これだけでは相手に動いてもらうことは難しいです。

なぜなら、

主張や根拠の話ばかりで
【伝える本人】【伝える相手】を置き去りにしているから

です。

ロジカルに組み立てて説明することはもちろん大切ですが、
伝える本人や伝える相手のことを抜きには人の心を動かすのは難しいです。

具体的に何を伝えればいいのかと言うと、次の2点です。

1.自分の体験

2.「主張」と「相手」とのつながり

1.自分の体験

先ほどロジカルな説明をするために必要な要素の2つ目
「具体的に説明できているか」の中にデータや客観的な事実、事例があるとお伝えしました。

この具体的な要素の1つとして、もう1つ付け加えて欲しい物があります。

それは、

渡辺まどか
渡辺まどか
実際に私はこういう体験をしました、そしてこのように感じました。

という【自分の体験】です。

データや事実、事例などの客観的な情報も必要ですが、
「自分の体験」の方が心を直接動かす力が強いのです。

2.「主張」と「相手」とのつながり

いくらロジカルに説明したとしても、
その人が経験・体験していないことには必要性を感じられず、心に届きにくいです。

必要性を感じてもらうには、相手が自分ごととして捉えやすいように、
「自分の主張」と「相手の体験・経験」のつながりを説明してあげる必要があります。

それができなければ、自分と同じ経験をした人にしか伝えることはできません。

例えば、

もっと女性に活躍してもらうには、自分たちの会社でも働き方を変えなくてはならない!

という主張を男性の管理職の人に伝える場面があるとします。

その主張を客観的なデータや事例を示し、根拠を明確に主張しただけでは、
相手が自分ごとして捉えて、納得して動いてことはきっと難しいでしょう。

その主張に加えて、例えば、次のように伝えたらどうでしょうか?

「あなたも将来、介護が必要になったり、大きな病気を患う可能性がありますよね?

例えば、あなたがもしガンになって週2回通院しながら、申し訳ないと思わずに、あるいは、降格させられてもしょうがないと思わずに働けますか?
それを考えてみてください。」

「子育てや介護でフルタイムで働くのが難しい女性や、心身に病気やトラブルを抱えている方はそれに近しい悩みや不安を抱えながら働いています。

家族の介護や、自分自身の心身のトラブルは、あなた自身やあなたの部下にいつ起こってもおかしくないことです。

やはり、うちの会社でも働き方改革が必要ではないでしょうか?」

このように「主張」と「相手の体験・経験」を紐付けて説明し、相手にニーズを想起させる必要があります。

そして、「だからこれが必要ですよね?」という伝え方をしないとなかなか伝わりません。

これには「想像力」が求められます。

渡辺まどか
渡辺まどか
想像力を働かせて、相手の経験・体験を掘り起こしましょう!

あなたと一緒に仕事がしたいと言ってもらうためには?

このように、あなたと一緒に仕事がしたいと言ってもらうためには、

  • 「ロジカル」な要素
  • 人の「感情」を動かす要素

この2つの要素が不可欠です。

「ロジカル」なだけでは、人の心を動かすことはできません。
また、「感情」に訴えるだけは、たまたまうまくいく時もあれば、再現性がなく不安定です。

そして、最後にもう1つ伝えて欲しいことがあります。

それは

「自分」と「相手」とのつながり

です。

一言で言うと、

渡辺まどか
渡辺まどか
私はこう思います。あなたはどうですか?

というメッセージです。

冒頭で紹介したメールが、もし次のような内容だったら私の心を動かしていたと思います。

渡辺まどか様へ

私は今、こういうことに取り組んでいます。
私の講座の受講生はこんなことに悩み、こんなニーズを抱えています。

私はこの人たちにこうなって欲しいと思います。
そのためにこんな教育を同じように悩む多くの人たちにも届けたいと思っています。

私は、渡辺さんのホームページを拝見して、記事に書かれている内容を読み、
とても納得・共感しました。
特に、「xxxx」という部分に深く感銘を受けました。

私の活動の中で普段接している方たちがxxxになるためには、こんな活動をされている渡辺さんの力が必要なんです。

だから、渡辺さんにぜひ引き受けて頂きたいです。
いかがでしょうか?

特に相手に何か行動を取って欲しいと思ったら、

私はこう思っています。
だから、あなたにこういう行動をとって欲しいです。

という【相手にその行動を取って欲しい理由】を伝えることがとても大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
最後にポイントをまとめますね。

【あなたと一緒に仕事がしたいと言ってもらう】ための2つの要素

  • 「ロジカル」な要素
  • 人の「感情」を動かす要素

 

<ロジカルな説明をするために必要なこと>

  1. 言いたいことがはっきりしている
  2. 具体的に説明できているか?
  3. つながりを説明する

<相手の感情を動かすために必要なこと>

  1. 自分の体験
  2. 「主張」と「相手」とのつながり

これらのポイントを踏まえつつ、
「あなたがこうするべきだ」という
 主語が「You」が主語のメッセージではなく、

「私はこう思います。あなたはどうですか?」という
 主語を「 I 」にしたメッセージを伝えてくださいね。

渡辺まどか
渡辺まどか
あなたが言いたいことはなんですか?
あなたが主張したい意見はなんですか?

こちらのイベントレポートに「つながり」の話や
「人を動いてもらう伝え方のフレームワーク」について書いたので、
こちらもぜひ読んでみてください↓

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