今回は「わかる(理解する)」シリーズの【第3弾】です。
<第一弾>「わかる」にも”クセ”がある!?
<第二弾>わかってはいけない!?コミュニケーションのすれ違いが起きる理由
さて、今日のテーマは「わかるタイミングは人それぞれ」というお話です。
「わかり方は人それぞれ」なのはすでにお伝えしましたが、
実は【わかるタイミング】も人それぞれだったりします。
(この場合の「わかる」とは「腹落ちする、身につく」だと思ってくださいね)
どんなに「わからなければならない」と思っても、腹落ちしない、身につかないことがあります。
というよりも、
という方が正解かもしれません。
ある青年との対話の中で
先日、いつも仕事をしているコワーキングスペースで、一人の青年に声をかけられました。
私の著書を読んで話がしたいということだったので、ランチをしながら話をしていました。
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彼は、大学を卒業したものの、希望した会社(超難関)から内定がもらえず、「このままではだめだ」と、資格取得にチャレンジしているのだそうです。
そんな彼に
と質問されました。
いろいろとアドバイスをしていたのですが、やがて私はもやもやしてきました。
なぜかと言うと、私が何を話しても、「ああ、わかります」と彼が答えるのです。
そこで「実践したことはあるのですか?」と質問すると、
なるほど、どうやら彼は「本を読んでわかったつもりになれる」思考タイプであるようです。
しかし残念ながら、わかったつもりで終わってしまっている。
だから、基礎的なアドバイスをすると、
「それが聞きたいんじゃない、もっと違うことが聞きたいんだ」とばかりに、
と話を終わらせてしまうようです。
心の中で、「いや、わかってないよ、それ!」とツッコミを入れたり、
「じゃあ、何が聞きたいわけ?!」とイライラしながらも、
表面上は穏やかな顔で、「そうですか~」と話を合わせて、なんだかむなしいランチタイムを過ごしました。
わからせようとするのは傲慢な考え方である
もしかしたら、これを読んでいる方も、こんな後輩や部下に手を焼いているかもしれません。
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しかし、「いや、わかってないから!」と怒ったり、彼/彼女がわかるように迫ったりするのは少し違うように思います。
わからなくて困るのは彼の問題。
私がコントロールできる問題ではありません。
わからせよう、できるようにさせてやろうというのは、実に傲慢な考えです。
私はこう思う。あなたはどう思う?
なぜ、傲慢なのかというと、
です。
残念ながら彼にとって私は通りすがりの人でした。
しかし、もし、私が彼の上司や母親で、中長期的な育成にかかわっているならば、
わからせるのではなく、「私はこう思う。あなたはどう思う?」と
自分の「邪心(=相手をコントロールしようという下心)」のない
意見や気持ちを相手に伝え、相手の意見を引き出す。
私にできることは、その繰り返しだけだと思っています。
その繰り返しの中で、もしかしたら、どこかのタイミングで、相手が何かに気づき、学びたいと思うかもしれない。
そのときに、学べる環境を整えておけるのが、育成する者の役目だと思うのです。
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私自身が、こんな風に発信するのも、実は
という投げかけなんです。
もし、時折送られてくるメッセージを読んで、何か皆さんの心に残るものがあったとき。
それが、皆さんにとって学ぶ、身につくタイミングかもしれません。
質問や感想などありましたら、お気軽にコメントくださいね!