外出自粛が続いています。
生活や仕事の仕方など、大きな変化を強いられていますね。
政治的な判断としての外出自粛がどのくらい続くかは議論の最中ですが、専門家によれば、コロナとの戦いは長く続くだろうといわれています。
私も、3月以降、セミナーや個人レッスンをすべてオンラインの形で活動を続けています。
といっても、学校が休校し、保育園も登園自粛状態。
家で子どもたちの相手をしなければいけないため、仕事ができる時間が激減しています…
とてももどかしいですが、仕方がないです。
でも、そんな状態ではありますが、「考えること」は自由です。
そこで、今日は、アフターコロナ(コロナ後の世界)・withコロナ(コロナと共生する世界)で必要になるコミュニケーションについて考えてみました。
「人と会うこと」の意味合いが変わる
先日、初めてのお客様が、オンラインでの個人レッスンに申し込んでくださいました。
1時間ほど様々なお話をさせていただいたのですが、どうにも納得できない様子。
最後に、
と言われました。
確かに、オンラインのレッスンは難しい。
お互いに相手の反応を知る術が限られているからです。
オンラインでは、会って話せば簡単にわかる、
- 視線の動き
- 表情の細やかな動き
- 身体が発するボディランゲージ
などを読み取ることが難しい。
だから、普段はコミュニケーションに難を感じない人でも、オンラインになったとたんに、うまく話が伝わらなくなってしまったりします。
私も、これまでにお会いしたことがある方の場合、既に人となりが少しでもわかっているので、オンラインでも対応しやすいのですが、初めてのお客様と信頼関係を築くのは容易ではありません。
そんな中での前述の一言。
会ったほうが話が早いのはごもっともなのですが、人との接触を8割減らすことを目標にしている現状で、お会いするわけにはいきません。
コロナとの戦いが続く世界、コロナと共生することが求められる世界においては、「人と会うこと」のコストはとても高く、リスクを伴うものになります。
外出自粛が解除されたとしても、「人と会うこと」の価値は、これまでと全く同じではありません。
その人と、その場所で会うことが、必要なのかそうでないのかを、いちいち選別する必要が出てくるでしょう。
これからの時代に必要なコミュニケーションとは?
そんな世界において、人とのつながりを作り、広げ、そしてビジネスを停滞させないために必要になるのは、共感を呼ぶコミュニケーションです。
例えば、「ロジカルシンキング講師の渡辺さん」として、ロジカルシンキングのテクニックを伝えるだけでは、人は共感してくれません。
これまでの生き方や、そこで感じた喜び・挫折、
そこから何を学び、何をしていきたいのか。
そして、いま相手に伝えたいのは、
「自分がやっていきたい何か」とどうつながっているのか。
そこまで伝えて初めて、相手は話の内容に納得するだけでなく、共感してくれるのです。
「ロジカルシンキング講師である」という「渡辺まどか」は、
世間から光の当たる一側面、私という球体の、半分でしかありません。
「ロジカルシンキング講師である私」は、比較的発信しやすい。
そこで語られる内容は蓄積してきた知識や経験がベースになるからです。
しかし、話しやすいからと言って、私の半分である「ロジカルシンキング講師である私」だけに焦点をあてて、相手に何かを伝えようとすると、語れる内容は、「ロジカルシンキング」というテクニックだけ。
伝える内容は事務的でビジネスライク、必要最低限の情報を伝えるだけ、になってしまします。
そうするとどうなるのか。
「あなたのために一肌脱ぎたい」と言ってもらうために必要なこと
共感を呼ばない文章は、読んでもらえない。
人の心に訴えないので、その文章に納得はしてもらえますが、これからどんな情報が発信されるんだろう?と期待されたり、直接会ってみたい、話してみたいという行動に結び付きにくい。
ビジネスだから、話しやすいからと、感情を排除し、無駄を排除すればするほど、相手に響きにくくなるのです。
オンラインでのコミュニケーションにかかわらず、
相手にわかりやすく説明しているつもりなのに、
相手が理解してくれない、動いてくれないという悩みのお持ちの方は、
もしかしたらこの「共感」の部分が欠けているのかもしれません。
話の内容は分かったけど、「あなたのために一肌脱ぎましょう」という気持ちを持ってもらえないから、動いてもらえないのです。
さらに、アフターコロナ・withコロナの世界では、「直接会うこと」のコストやリスクが跳ね上がります。
多くの物事をオンラインで済ませることしかできない、できる限り直接の接触を避けようとする動きは続くでしょう。
すると、対面ならば得られる「場を共有していることによる共感」効果がうまく働きません。
金銭的なインセンティブ(私と会ってくれたら代金を支払いますよ)や、義務・役割・責任(仕事だから会うべきです)は、従来に比べて価値が下がります。
例えば、「直接会って話したほうが早いですね」というお誘いも、直接会うコストやリスクと見合うのか、あらゆる人がそれを一度疑わずにはいられません。
そして、相手が「会いたくない」「会う必要を感じない」と感じたときに、断る理由をいともたやすく見つけられるのもアフターコロナ・withコロナの世界です。
共感を呼ぶコミュニケーションとは
「あなたのために一肌脱ぎましょう」と言ってもらうために、必要なのは、素の自分をさらけ出すことです。
例えば、家族がいて、友だちがいて、怒ってしまったり、悩み・もがき、時には嫉妬したり、やる気をなくしてダラダラしちゃう。
そんな私もまた、「渡辺まどか」です。
私という人間の、世間から見えない側、光の当たらない方のもう半分です。
日の当たらない私も含めて、全円の私を語るためには、自分をさらけ出す必要があります。
ロジカルシンキングのテクニックを使って、情報を効率的に伝えるだけでなく、
- 私は何者なのか?
- 何に対して、どんな気持ち・感情を持ったのか?
- なにがきっかけ・動機で、この行動をとろうとしているのか?
- 相手に何をお願いしたいのか?/何を目指しているのか?
を言葉にして伝えることが必要なんです。
それだけでは、お会いする理由を見つけることができません。
例えば、
私はもともとxxという仕事をしています。
新しい組織に異動になって、その組織の仕事の仕方で疑問に思う部分があり、チームメンバーに改善案を提案しました。
しかし、自分の考えがチームの仲間にうまく伝わらず、自分一人が孤立してしまっているように思います。
私がアイデアをうまく伝え、チームメンバーとともに仕事の仕方を改善することができれば、もっとチームのモチベーションが上がるのに、と思うと悔しいんです。
だから、ロジカルシンキングを学びたい。
ロジカルシンキングを学んで、チームと一体になって組織に貢献したいです。
そんな風に伝えられれば、オンラインであっても、相手の人となりに対するイメージが少し鮮明になります。
人物のイメージや、置かれている状況が、聞き手の中で高い解像度で再現されると、オンラインでも、あたかも一緒に同じ空間にいて顔を合わせているかのように、共感を持って相手と信頼関係を築くことができるのです。
【共感を呼ぶコミュニケーション】とは、
必要な情報だけでなく、それを伝えたいと思ったきっかけや背景、
自分の気持ちを含めて、素の自分を素直に表現することができる力です。
アフターコロナ・withコロナの世界でのコミュニケーションは、リアルでも、オンラインでも、素の自分をオープンに表現することが必要になります。
時間がある今だからこそ、自分の中に目を向けて、自分の気持ちや感情をうまく表現する練習をしてみましょう。
これからの時代は、ロジックと感情をうまく表現できる人こそが、活躍できる時代なのです。