ロジシンコラム

ビジネスパーソンが「わがまま」を通すときに必要な2つのルール【ロジカルシンキングコラム】

渡辺まどか
渡辺まどか
こんにちは、渡辺まどかです。

今回は、先日、日経新聞さんに取材していただいた時のこぼれ話です。

取材していただいた記事はこちら↓↓

理論武装なら逆効果 「ロジカル思考」で人の心動かすhttps://style.nikkei.com/article/DGXMZO55559330T10C20A2000000

今回取材してくださったのは、ベテランの記者さん。

その記者さんが、

記者さん
記者さん
僕の周りでも企業の役員や取締役になるヤツが出てきました。

でも、いざ、企業を経営する立場になった時に、『この企業で自分は何をやりたいのか?』がわかっていなかったりする。

そうすると『これまでの経緯を踏襲して…』とか『市場の環境に合わせて…』みたいに、お茶を濁そうとする。

そんなんじゃ、他社と差別化できるような戦略が出るわけないのに。

とおっしゃっていました。

渡辺まどか
渡辺まどか
やっぱり!!!

実は、私も、同じような問題意識を持っていたんです。

優秀で、スマートだけれど、〇〇が欠けている人々

仕事柄、いろんな企業の(結構偉い方にも)お会いします。
みなさん、非常に優秀で、スマートです。

でも、悪い言い方をすると、「会社が示す方針に従って成果を出す」ことには長けているが、志・ビジョンがない。

だから、いざ自分がかじ取りを任されたとたんに、「さて、どこに向かったらいいのか?」と悩んでしまう。

自分の志・ビジョンがないから、下から上がってきた提案を通すべきか否か、その判断基準がありません。

そこで判断基準として外部の根拠に頼ろうとします。
「もっと市場データを集めろ」とか、「もっとリスクを低減させる方法がないか考えろ」なんて言う風に、部下に提案を突き返してしまう。

渡辺まどか
渡辺まどか
だから、日本の企業は意思決定が遅いと言われるんです。

よく世間では「最近の若者は指示待ちで困る」なんてことが言われています。

でも、「指示待ち」なのは、若者に限った話ではなく、管理職も経営層も、みんなが指示待ちってことなんですね。

いやー、驚愕の事実ですね。

(もちろん、経営層・管理職・若者を問わず、志・ビジョンを持った素晴らしい方もたくさんいらっしゃいます!!)

 なぜ、指示待ちになってしまうのか?

なぜそんなことが起きるのか。

それは、自分軸で判断し、アウトプットしてこなかったから。

もちろん、企業の中で成果を出す、偉くなるような方は、普段から「ご自身の意見」は述べているんです。

でも、その意見の多くは、「この状況だったらこう考えるべき」とか「このポジションだったらこうするべき」のような、義務・役割・責任をベースにしているだけなのかもしれません。

自分軸で判断するということは、
「自分はこれをやりたい」とか「これはやりたくない」というような、
ある種の「わがまま」を一つの判断軸にするということです。

わがままって、なんだかネガティブなイメージがありますよね?

でも、わがままとは、「わが」の「まま」。

ようは、

わがまま = ありのままの自分の、素朴な、期待や希望、願望のこと

を指すのです。

多くの人が「わがまま」に対してネガティブなイメージを持つ理由

しかし、なぜ「わがまま」に対して、多くの人がネガティブなイメージを持つのか。

1つの理由は、「わがまま」を通そうとすると、度々他者とぶつかるからです。

多くの人が、子どもから大人に成長する過程で、「わがままを言ってはいけない」「ルールには従いなさい」と教えられ、学び、実践します。

そして、その学びに過度に適応してしまうのです。

大人は、「これをやりたい」「これはやりたくない」という、素朴な欲求・感情を封じがち。

社会人なんだから、やりたい仕事だけやって、やりたくないことはやらないなんてことは通用しないよ!

先輩が新入社員にするアドバイスは、至極もっともです。

でも、それを数十年続けたのち、突然、組織のかじ取りを任されたときに「やりたいことをやればいいよ」と言われても、ずっと封じてきた「やりたいこと」なんてないのが当たり前なんです。

 

さらに、「わがまま」に見えるような言動は、多くの場合、ネガティブな感情が伴います。

例えば、

  • 子どもが「あのおもちゃが欲しい!買って買って!!!」と駄々をこねるとき、その駄々には、怒りという感情が混じっていますよね。
  • 「なぜ私を優遇しないのか」という理不尽なクレームを要求するお客さんの言動には、不満という感情が混じっています。
  • 「固定電話を取りたくない」という新入社員の悩みには、不安という感情が混じっています。

そういう感情をぶつけられると、人は怒りを感じるんです。

感情で私を思い通りに動かそうとするな、と。

だから、わがままを言うのはよくない、と感じてしまうのです。

若者も、管理職も、経営層も、もっと自分の欲求、「わがまま」に素直になれ!

でも、先ほども述べた通り、本来の「わがまま」は、あるがままの自分の、素朴な期待・希望・願望であり、(社会や他人とぶつかる可能性はあるけれど)自分にとっては正当な欲求なのです。

そして、「こういう仕事がしたい」とか「組織をこういう姿にしたい」というのも、その人の欲求であり、ある意味、わがままなのです。

いわゆる、志やビジョンというのは、実はその人なりの「わがまま」なんです。

私が良く触れている、「情熱」も同じ。

その人なりの、「やりたいこと」「伝えたいこと」であり、それは、その人の生きざま・すべての経験からあふれ出てくるものです。

だから、若者も、管理職も、経営層も、もっと自分の欲求、「わがまま」に素直になる必要があります。

みんなが、もっと、「わがまま」になっていい。

それぞれの人が、わがままを言うからこそ、
よりよいアイデアが出てくる。

お互いが、お互いの「譲れない」と
「ここは譲歩してもいい」の境界線が見える。

「ルールだから従う」「役割だから我慢する」「義務だから受け入れる」
のではなく、自分なりの解、落としどころを見つける。

自分にとって取り組む意義や目的を見つけられるからこそ、自発的に仕事に取り組めるし、うまくいっても行かなくても、自分の仕事に満足を感じられます。

ビジネスパーソンとして「わがまま」を通すときに必要な2つのルール

ただし、大人として、ビジネスパーソンとして「わがまま」を通すときには、2つのルールがあります。

ルール1:ネガティブな感情を乗せない

1つ目は、「ネガティブな感情を乗せないこと」

感情に任せて主張すると、相手に「わがまま言うな」と反発されます。

しかし、ネガティブな感情を持ってはいけない、そんなものは存在しないと思いこもうとすると、ますますこじれます。

だから、ネガティブな感情は、封じずに吐き出す。

おススメは、【日記】です。

私は常々、いろんな方に日記をお勧めしています。

何があった、誰がどうした、だけではなく、
その時に、自分は、何に対して、どのくらい強く、どんな感情を感じたのか。

それを、赤裸々に吐き出してください。

私の場合は、WordでA4用紙1枚分くらい書くとすっきりします(笑)

で、吐き出すと、自然と、「ああ、そうか、私は相手にこう言ってほしかったんだな」とか、「ほんとうはこうしたかったんだ…」というような、素朴な期待・希望・願望が見えてきます。

このプロセスを飛ばして、いきなり「わがままを主張していいんだ!」となると、無用な衝突を招いたり、致命的な関係悪化を起こしたりします。

 ルール2:相手に伝わりやすい言葉で伝える

そしてもう一つが、「相手に伝わりやすい言葉で伝えること」

私が教えているロジカルシンキングは、まさに、この「相手に伝わりやすい言葉で伝えるためのツール」です。

客観的な根拠を添えたり、言いたいことをすっきりとまとめることで、混乱を避け、「やりたい」「伝えたい」をきちんと伝えられるのです。

ロジカルシンキングは、考え伝えるためのスキルであり、練習を積むことで再現可能な技術です。

ただし、ツールだけを振り回しても意味がありません。

  • 仕事がうまくいかない、思うように伝わらない。
  • 自分のキャリアに、仕事に、前向きに取り組めない。

そんなときこそ、自分のわがままと真正面から向き合い、自分が「やりたい」「伝えたい」ことを見定める。

そこから逃げずに、そこに時間をかけるために、そして、見定めた「やりたい」「伝えたい」ができる限りスムーズに伝わるようにサポートするのがロジカルシンキングなのです。

 最後に

私がご紹介するロジカルシンキングは、単なるスキルだけではなく、「キャリアや生き方の満足度を上げるためのツール」

オンライントレーニング第2期では、ツールだけにとどまらず、キャリアを考えるワークショップを並行して開催する予定です。

興味のある方はぜひのぞいてみてくださいね↓↓

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