ロジシンコラム

「問題解決」でやってはいけないこと

渡辺まどか
渡辺まどか
こんにちは。
渡辺まどかです。

 

前回から、
「問題解決」に焦点を当てた
長期シリーズをお届けしています。

 


1回目は、そもそも「問題」とは何か?
についてご紹介しました。

 

 

今日は、

解決してはいけない問題
について考えてみたいと思います。



問題解決の手法を身に着けると、


仕事上でのトラブルや
身の回りのもやもやについて、
どうアプローチしていいかわかり、

 

ぐんぐん物事が前に進むような
感覚になると思います。

 


ですが、
実は、解決していい問題と、
解決してはいけない問題があります。

 

 

解決していい問題、ダメな問題


解決していい問題とは、
ルールや制度、しくみ、
やり方・手順の不備
方針や考え方の方向転換
自分が、誰/何に対して、
 どんな行動をするべきか

です。



一方で、
解決してはいけない問題とは、
相手が動いてくれない
相手がその気になってくれない
相手の間違いを正して、
 正しい考えをするように強制すること
相手の成長を促し、自分の期待通りの
 成果になるようにすること

です。
 


要は、

問題解決の対象としていいのは
モノ・コト」と
自分の心・行動」であり

「他人の心」は
問題解決の対象としては
いけないということです。

 


例えば、
組織として生産性が
低いということであれば、

業務のやり方(プロセス)を
 見直す・廃止する
役割分担を変える
評価の仕組みを変える
目標の設定の仕方を変える

などは、

問題解決していい
問題解決が必要な対象になります。

しかし、

 

 メンバーのやる気がない
 消極的である
 メンバーが、~できない
 必要な水準に達していない

は、解決してはいけません。


それは、
相手の心を操ろうとする行為だからです。

 


人は、誰もがその人だけの
・感じ方
・考え方
・ものの見方
 とらえ方を持ち

 


それに基づいて、
「やりたい/やりたくない」
「面白い/面白くない」
などの意思を持ちます。

 


相手の感じ方や考え方を
塗りつぶすような問題解決、

 

相手の心を無理やり
こちらの期待するような
形に変えようとすると、
信頼関係が損なわれます。

 

信頼関係が損なわれると、


そもそもコミュニケーションが
成立せず、生産性の向上という
大目的も果たせないことになります。

 


仮に、
相手のモチベーションや成果の
コントロールがうまくいったとしても、

 

相手の心を変える問題解決は、
根本的に


あなたの感じ方・考え方は
 ダメなので、
 組織の方針に従いなさい

 

というメッセージを相手に
刷り込んでいることになります。

 

 

 


中長期的にみると、
相手の主体性が失われるため、
デメリットの方が大きくなってしまいます。

 


したがって、


相手のモチベーションや
行動の成果をコントロールすることを
目的とした問題解決はしてはいけないのです。

 

 

相手の心を変えるためのアプローチ


もし、
相手の心を変えるための
問題解決をしたいのであれば、

 

①自分は、
 どうあるべきだと考えているのか?
 理想・あるべき姿を深堀したうえで

 

②相手は
 現状、どう感じ、考えているのかを
 フラットに、よく聞き

 

③相手が変わらなかったとしても、
 自分はどう行動するならば
 納得できるのか?
 自分のかかわり方を決める

ことだけが、唯一できる問題解決です。

 

 


なお、
②で相手の話を聞くときには、


自分のあるべき姿・理想は話さずに、
相手の話を深める、
拡げることに注力してください。

 


時間の7割を、
相手に話してもらうイメージで。

 


また、フラットに聴くとは、
「その内容はいいね」
「それは違うんじゃないかな?」
のような、

評価をしない、ということです

 


どんな内容でも、
なるほど、
 あなたはそういう風に感じるんだね

といったん受け取ってください。

 

 

 


そのうえで、

それって、具体的にどういうこと?
どんな背景があって、そういう風に考えるようになったの?

など、
深める質問をしていただければOKです。

 



①自分は、どうあるべきだと考えているのか?
 理想・あるべき姿を深堀したうえで、

 

②相手は現状、どう感じ、考えているのかを、
 フラットに、よく聞き

 

がしっかりできたら、今度は

 

③相手が変わらなかったとしても、


自分はどう行動するならば
納得できるのか?

 

自分のかかわり方を決める

です。

 


相手の心ではなく、
問題解決する「モノ・コト」と
自分の心・行動」を考えてみてください。

 


そのときに、

業務のやり方(プロセス)を見直す・廃止する
役割分担を変える
評価の仕組みを変える
目標の設定の仕方を変える

などが出てくるのであれば、
それでOK。

 


ほかにも、
例えば知識・スキル、経験が
足りていないのであれば、

勉強会をする

経験を積んでもらう機会を用意する

なんていうものでもOKです。

 

 

ただし、
それらをやったとしても、
相手のモチベーションや行動の成果が、
必ずしも改善するわけではない

 


相手が変化するかどうかは、
本来相手だけが決められることなので、
あなたがコントロールできることではない

ことを肝に銘じておいてください。

 


もし
相手に変化が見られなかったら、また


①自分は、どうあるべきだと考えているのか?
 理想・あるべき姿を深堀したうえで、

②相手は現状、どう感じ、考えているのかを、
 フラットに、よく聞き、


に戻ります。

 

変化がないときの心の持ち方


とはいえ、相手に変化が現れないのは、
イライラしたり、落ち込んだりしますよね。

 


そんなときは、
イライラする自分、
落ち込む自分を責めずに

どこまでだったら、自分の気持ちを殺さずに、
自分の心身の健康を保ったまま、お付き合いできるかな~

と踏み込み方のアクセルを
緩めるのも手です。

 


③相手が変わらなかったとしても、

 


自分はどう行動するならば納得できるのか?
自分のかかわり方を決める

 

の中には、
「こうやれば改善する」
というポジティブな取り組みだけでなく、

 

  • 自分は関与しない
     (=他の人を頼ったり、
     エスカレーションする)
  • あるべき姿・理想を低くして、
     自分がイライラしない
  • 落ち込まないかかわり方に変える

 といった、
戦略的撤退も、十分に考えうる選択肢です。

 


問題は、一人で解決する必要はありません。

 

 

ぜひ、頼る先を増やしてみたり、
あるべき姿・理想を見直してみることも、
考えてみてください。

 


もう一度確認しますが、
基本的に「相手の心」は
コントロールできるものではありません。

 


あなたにできることは、
①~③を、ずっと淡々と、
手変え品替え繰り返す感じです。

 


相手の変化はゆっくりかもしれません。
あなたが関わっている間に、
変化が訪れないかもしれません。

渡辺まどか
渡辺まどか
大丈夫、それはそれで、
あなたの責任ではないです。

 

 あなたが責任を感じて躍起になるよりも、
あなたが力を発揮しやすいところで、
問題解決に取り組めば、

 

それだけで十分に
周囲に対する貢献につながります。

 

大局的にみて、
問題の優先順位を考えてみてくださいね。

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