先日セミナーをしていたら、受講者の方にこんな風に声をかけられました。
私がアドバイスするときに気を付けているのは、【押し付けない】ということです。
相手のニーズがないところにアドバイスすると、余計なお世話に感じる。
だから、相手が困っていることや悩んでいることをお伺いしたうえでアドバイスするようにしています。
そしてもう一つ、
相手を決めつけない
ということも、とても注意しています。
ロジカルシンキング入門で、お一人おひとりに対して個別にその人なりの考え方のクセと、それに合わせた対応方法・トレーニング方法をお伝えするのですが、
という風に言われると、決めつけられたようで不愉快に感じることがあります。
だから、小さなことですが、
もし、ご自身に○○ということがあるときには、△△してみてくださいね。
という形でお伝えします。
ちなみに、
と言われることもありますが、占いではなく、クセや困っているポイントが見抜けるのは
ロジカルシンキング講師としての経験からです(笑)
その決めつけは“呪い”として機能しているかもしれない?!
「あなたはこういう人」という決めつけは、相手の反発を生んだり、時には良くも悪くも呪いとして機能してしまったりします。
それが、親や先生、尊敬する上司や先輩など力のある人から言われた言葉であればあるほど。
呪いは、「良いもの」として機能するときには、大きな力を発揮します。
例えば、
あなたは本番に強いから
と言われたことが無意識のうちに脳裏に残っていて、試験やプレゼンで緊張しにくい、
なんていうのは、「良い呪い」の最たるもの。
逆に、
あなたはダメな子ね
と親に言われたことが残っていると、自分はダメな子なんだ、と思いこんでしまったり、
ダメな子になってはいけないとばかりに、完璧主義になってしまったりします。
大人になって冷静に考えてみれば、誰にだってダメなところと素晴らしいところがあるのは当たり前だし、常に完璧でなければならない、なんてことはあり得ないということは簡単にわかります。
それでも、悪い呪いとして機能すると、無意識のうちに
- 「私はダメだ」
- 「完璧でなければならない」
と自分自身を縛ってしまうのです。
忌み嫌うべき欠点ではなく、大いに生かすことのできる「才能」
かくいう私自身が、自分の母や学校の先生に言われ、とらわれていた呪いが、
「あなたは優しすぎる」
というもの。
それを言われた私は、「優しくあってはダメなのだ」と無意識のうちに思い込み、トゲトゲした言葉で同僚や先輩に食って掛かったり、正論を振りかざして顧客に突っかかる、厄介な人になってしまいました。
(詳しくは、こちらの記事を読んでくださいね↓)
果たして、優しいことはダメなことなのでしょうか。
現在の私はそうは思いません。
いま、私は、母や教師に言われた「優しすぎる」という性質を使って、セミナーで受講者の方に、
でもしっかりと伝える
ということに役立てています。
私にとって、「優しすぎること」は、忌み嫌うべき欠点ではなく、
大いに生かすことのできる「才能」でした。
もし、あなたに、どうしても直したいと思う欠点があったり、
と思うことがあったら、それはもしかしたら、誰かにかけられた呪いによってそう思い込んでいるだけかもしれません。
他の人から見て、「特筆するくらい気になる性質」だからこそ、その人はあなたに「あなたは○○だよね」という風に伝えたのです。
もともと、あなたのその性質は、他の誰よりも強い、強みや才能なのです。
「集中力がない」のではなく、「新しいことにチャレンジできる」
「はっきりものを言わない」のではなく、「他人を思いやれる優しさがある」
「頑固」なのではなく、「粘り強い」
「ピント外れの説明」なのではなく、「豊かな想像力がある」
それをあなたに伝えた人は、もしかしたらネガティブな意味で伝えたわけではないのかもしれません。
私の母も、
と最近ぽつりと漏らしていました。
ぜひ、自分の手で、自分にかけられた呪いを解いてあげてください。
欠点、あるいは役に立たない才能とみなしていたものが、あなたの仕事や生活に大きく役立ってくれるはずです。