みなさんは、コミュニケーションがかみ合わないなあ、という相手はいませんか?
通りすがりの人だったら、その場で「ハイさようなら」で済ませられますが、職場やコミュニティで一定期間付き合わなければならない人だった場合、コミュニケーションがかみ合わないのはかなりの苦痛です。
今日は、「話しにくい人と話すには?」というテーマで考えてみたいと思います。
目次
心が閉じてる?開いてる?
私は普段、たくさんの初対面の方と、セミナーでお会いします。
初めから「話しやすいな」と感じる方もいらっしゃいますし、「なかなか話していただくのが難しそう…」と感じる方もいらっしゃいます。
そして、面白いことに、
- 「話しやすいな」と思った方がいらっしゃる回は、
他の受講者の方も含めて満足度が高く - 「難しそう…」と思った方がいらっしゃった回は、
他の受講者の方も含めて満足度が低い
ということが、たびたび起きるのです。
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同じ内容のセミナーでも違いが出る理由
同じ内容を同じように話していても、違いがくっきりとでる。
これはライブ配信ならではの面白さです。
では、なぜこんなことがおきるのか。
セミナーを受講する方にはいろんな方がいらっしゃいます。
人によっては、人と関わるのが苦手だ、あまり人と関わりたくないと思う人もいるでしょう。
ロジカルシンキングというスキル・知識を学びに来ているのだから、講師や他の受講者とコミュニケーションすることに何の意味があるのだ?と考える方もいるかもしれません。
そこまで極端でなかったとしても余裕がなかったり、ストレスを感じていたりすると、自分のことでいっぱいいっぱいになり、場に対して気を使ったり、人と関わるのがつらくなります。
そういうときは、外に対して“心が閉じて”います。
私が欲しいのは知識だけ
という意識になっています。
もちろん、ご本人にはそんなつもりはないかもしれません。
しかし、ライブ配信であるからには、双方向のやりとり、人との関わりがあるものなのです。
双方向のやりとりには参加したくないけど、
セミナーの内容には興味がある
というのは、やはり“心が閉じている”と言えます。
残念ながら私も人間なので、心が閉じている方に対しては、肩に変な力が入ってしまいます。
そうすると
なんとかして相手の役に立ってやろう(望まれてもいないのに)
いいから私の話を聞け。
と躍起になってしまうんです。
これは実は、相手に認めてもらうための威嚇や威圧。
どんなににこやかに丁寧に話していても、自分を守るために、自分を受け入れさせようといっぱいいっぱいです。
残念ながら、受講する方に対する誠意や努力ではありません。
そうすると不思議と、“心を閉じている方”だけではなく、ニュートラルな気持ちで参加してくださった方も、
質問があるけど発言しにくい
という雰囲気になってしまい、「他の受講者の方も含めて満足度が低い」状態になりやすいのです。
(プロとして、できるだけそうならないように心掛けてはいますが…)
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相手が”心を閉ざした”ときの接し方
コミュニケーションにおいて、当事者の一方が“心が閉じている”と、もう一方も心を閉ざしがちです。
相手が“心を閉ざす”理由は様々です。
- 以前、自分との関係で何か不愉快な思いをしたことがあるのかもしれない
- その人が今、健康状態や仕事・プライベートの環境で困難を抱えているのかもしれない
- もともと人と関わるのが苦手で、どうかかわっていいかわからない人なのかもしれない
だから、“心を閉ざした”相手と向き合うときに、自分に原因があると考えすぎると、
役に立ってやろう
言うことを聞け
と傲慢で強引なコミュニケーションになってしまったり、逆に
嫌われるのが嫌だから相手に合わせておこう
と誠意のないコミュニケーションになってしまいます。
相手を理由にして、結局はお互いにお互いを遠ざける、関わりを断ってしまう。
そうするとますます、コミュニケーションがすれ違います。
相手の“心が閉じている”状態を、過剰に自分の責任にする必要はありません。
その人には、関わりたくないれっきとした理由があるのですから。
とはいえ、やはりある一定の時間・期間、その人と関わらなくてはいけないとなると、心が折れますよね。
そういうときにただ一つできることは、
相手は“閉じて”いたとしても、自分は“オープンに”関わり続けること”
です。
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心をオープンにして関わり続ける
“心がオープンな状態”とはどんな状態か。
まずは、自分が感じていることを、素直に受け取ることがスタートです。
感じていることを素直に受け取る
私は今、相手を怖いと感じている?
なんでそんな態度なのよ!と怒りを感じている?
相手の受け取り方がわからなくて不安を感じている?
怒りや不安を感じるなんて器の小さい人間だとか、
感情に振り回されるのはよくない、
なんていう風に感情を抑えたり、なかったことにしないでください。
みなさんが感じた感情に、良いも悪いもありません。
外にそれを出してしまうと、問題がこじれますが、生きている以上感情を感じるのは当たり前です。
実は感情こそが、人間のすべての思考と行動の源泉なのです。
自分の感情を素直に受け取れる、向き合えると、相手に対して素朴な興味・関心を持ちやすくなります。
自分はこんな風に感じているけれど、相手はどうなのかな?
自分にとってはこれが“当たり前”だけど、
相手にとっての“当たり前”はなんなんだろう?
自分の感情を受け入れられると、こんな風に、冷静に、自分と異なる考え方・感じ方をする相手に素朴な興味関心を持つことができます。
感じていることを素直に表現する
ここまできたらしめたものです。
自分が感じていることを素直に表現する。
ただし、相手の気持ち・考えを聞く余白を残して、質問・依頼・提案をするのです。
私はこう考えている。あなたはどんなふうに考えていますか?(質問)
私はこう思う。だから、~~をお願いできませんか?(依頼)
私はこうしたい。だから、~~をやってみませんか。(提案)
自分の素直な気持ちと、それをベースにした相手への質問・依頼・提案。
これが、心を閉ざす相手にできる、オープンなかかわり方です。
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コミュニケーションをうまくいかせる方法
どうでしょうか?
コミュニケーションがすれ違ってうまくいかないときに、
ロジカルに話せたらいいのに。
みなさんがそう感じるとき、もしかして感情に振り回されて言動に走ってしまったり、自分では感情に振り回されていないつもりでも、相手を遠ざけるコミュニケーションになっていないでしょうか?
コミュニケーションとは、単に考えを伝達することではありません。
あなたと相手とが、信頼関係を築き、お互いが感じたこと・考えたことを表明し合い、よりよい考え・行動を作り上げていく。
それがコミュニケーションです。
強引に押したり、誠意なく引いたりするのではなく、対等な相手として、質問・依頼・提案をする。
ロジカルシンキングのスキルや技術よりも、実は自分が感じたことを素直に受け取り表現できることのほうが、コミュニケーションにとって大事なことなのです。
すべて対等な立場で、伝えあう、学び合い、成長し合う。
私のロジカルシンキングは、そんなコミュニケーションをサポートする技術でありたいなと思っています。
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