先日、生徒さんTさんとメッセージのやり取りをしていたら、Tさんがこんな風に落ち込んでいました。
上司も、この内容でいい、と言ってくれました。
ところが、私には営業の経験がないから、プレゼンは任せられないって言われたんです。
経験がないから任せられない。
まあ、上司の気持ちもわからなくはありません。
その提案の内容が、素晴らしいものであるからこそ、絶対成功させたい。
成功させるのであれば、営業の経験がないTさんがプレゼンをするよりも、営業の経験のある上司がプレゼンをした方が、話も上手いでしょうし、説得力があるでしょうから。
でも、正直、「経験がないから任せられない」って、
最強で、最低の殺し文句ですよね。
今回はそんなエピソードについて、考察してみたいと思います。
どんな人にでも「持っているもの」と「持っていないもの」がある。
「経験がない」というのは、その経験を積みに行くこと以外、獲得のしようがありません。
プレゼンまで、2年も3年も時間があるのであれば、今からTさんが営業の経験を積むこともできるかもしれません。
でも、プレゼンは明後日なんです。
明後日のプレゼンをするのに、どうやっても挽回できない、Tさんが絶対に手に入れられないものを理由に、チャンスを阻まれる。
これほど悔しいことはありません。
Tさんが落ち込んでいたのも、そんな理由でした。
自分が持っていないものが、障害になってうまくいかない。
誰にでも、そんなことがあります。
でも、よく考えてみると、
「持っていないもの」に目を向けると、うまくいかない理由しか見つかりません。
絶対にうまくいかないので、絶望的な状況です。
でも、うまくいっている人は、「全てを持っている」のではありません。
持っていないものは仕方がない
持っていないものは仕方がない
だったら持っているものを最大限に活用して、
いまできることを精一杯やる、行動を、アウトプットを積み重ねるからこそ、
その積み重ねの先に「うまくいく」があるのです。
実は、そのメッセージ、まさに今、自分に向けて言い聞かせていることなんです。
私も、「持っていないもの」がたくさんあります。
子どもを育てていて、夜や休日の時間の使い方に制限があります。
(社会人向けのセミナー講師なのに…悩)
過去にうつ病を経験したこともあって、無理をするとすぐに体調に表れます。
心から信頼できる友だちや仲間はいるけど、とても少ないです。
互いに尊敬しあい、応援しあえるようなビジネス上の人脈も、とても少ないです。
(少ないというか、人脈の形成・維持がとても苦手で、そこにパワーを割こうと思えないからという方が正しいかも)
今持っているものに目を向ける
でも、私には、
「渡辺さんと出会えてよかった」と言ってくれる方がいます。
「ロジカルシンキングが必要なんです」と、セミナーに申し込んでくださる方がいます。
私にとって、セミナーや個人レッスンも、オンライントレーニングも、LINEやメールでのメッセージのやり取りも、全てが私に与えられた“舞台”で、そこで最高のパフォーマンスをすることが、私にとっての喜びであり情熱なんです。
ちょっと集客が思うようにいかないと、すぐに落ち込みます。
もっと死ぬほど働かないと成功しないんだ。
と、焦って、あれこれといろんなことに手を出し始めて、どれも中途半端になって却って結果が出ない、という悪循環に陥ります。
持っていないものを渇望してもしかたがない。
今持っているものに目を向け、できることに集中して、行動し続けること。
行動を積み重ねた先に、後ろを振り返ってみると、そこに他人と比べたらちっぽけかもしれないけれど、それでも自分なりの、確かな“実績”や“成功”があります。
Tさんに、そんなメッセージを送ったら、
と返事が返ってきました。
Tさんのプレゼンはどうなったか。
次にTさんにお会いするのが楽しみです。
Tさんからのメッセージを読み、私も、次のセミナーに来て下さる方に、最大限のパフォーマンスができるように、集中して仕事をしよう!と気合を入れた朝でした。