先ほど、某新聞社さんから『シート1枚で論理的に考える技術』について取材を受けました。
(記事の方はまた記事が出るタイミングで、詳細お知らせします。)
さて、取材の中でとても印象に残ったのが、取材をされている記者の方が、
とおっしゃっていたことです。
その取材の体験がとても感動的であり、気付きがあったので、シェアしたいと思います。
どう感じるか、どう受け取るかは、人によって千差万別
みなさん、新聞やメディアの記事を読むとき、できる限り事実に沿って書かれたものと思って読みませんか?
もちろん、事件やニュース記事は、事実に沿って書かれるものです。
でも、それが、客観純度100%のものかと言われると違う。
私を取材してくださった記者さん曰く
のだそうです。
(すべての記者さんがそう考えているわけではないと思いますが)
客観純度100%の記事だったら、どこの媒体でその記事を出してもおかしくないんです。
その新聞で、その雑誌で、その番組で、伝えることに、意味がある。
どんなタイトルで、どんな切り口で、どんな文章で、
その事実を伝えるのかに、その人なりの主義や主張が反映される。
それはいいとか悪いことではなく、
ということなんです。
おそらく、みなさんが新聞や雑誌を読むときに、「この新聞の記事は信用ならないな」とか、「この雑誌の伝え方は好きだな」なんていう風に、好みが出ると思います。
それは、書いている人のフィルターに対して感じる、みなさんの「信頼できる」とか「好ましい」という感情であり、みなさんが持っている“感じ方のセンサー”が反応した結果なんです。
そして、そのメディアを「信頼できる」「好きだ」と思う人がいる一方で、「信頼できない」「嫌いだ」と思う人がいる。
つまり、
どう感じるか、どう受け取るかは、人によって千差万別です。
いいか悪いかではなく、ただそれだけ。
それが、多様な人がいる「社会」なのです。
人を動かすもの
さらに言えば、どう受け取るかを、こちら側でコントロールすることはできません。
善意のつもりで言った言葉が相手を傷つけたり、自分が意図するように受け取ってもらえずに否定されてしまったりすることもあります。
もしあなたが、自分の言動に否定的なリアクションをされて、ショックを受けたり、傷ついたりするとするならば、それはそこに、あなたの主観、あなたが込めた思いがあるからです。

思いを込めた主義主張が否定されるのは、誰だって辛いものです。
だからと言って、自分の思いが入っていない主義主張、客観純度をできる限り高めたり、誰かの思いを借りてきて語る言葉は、人に響きません。
例えば、
「データを分析した結果、こういう施策が必要だ」
「市場のニーズはxxだから、こういう商品にしよう」
「トップがこういう方針を打ち出しているから、
うちもxxという方針で行こう」
は、人を動かしません。
人を動かすのは、「これをやりたい」という人の思い、主観だからです。
「根拠を構成するときにどんなデータを添えれば正解なのですか?」
時々、「根拠を構成するときにどんなデータを探せばいいのですか?」「どんなデータを添えれば正解なのですか?」と聞かれます。
私の答えは、こうです。
きちんと事実にのっとって、その事実と伝えたいことが繋がっているように説明できるようにする必要がある。
だから、できるだけ冷静に、客観的に事実を押さえます。
もし仮に自分が想定していたのとは違う事実が明らかになったら、自分の意見を再考する必要があります。
ただし、この答えは、私にとって答えの半分でしかありません。
もう半分はこう。
あなたが伝えたいことをの根拠になりそうなデータや事実を集めればいいんです。
そもそも、客観的な事実なんてものは存在しないし、できる限り客観的に論拠を組み立てようとすると、リサーチに途方もない時間がかかってしまう。
そのとき、「あなたが伝えたいこと」というのは、あなたが、あなたの経験や知識・信じている価値観から導き出した、あなたなりの主観、わがままです。
わがままでいいんです。
相手のわがままと、自分のわがままがぶつかり合うからこそ、アイデアが磨かれていくから。
だから、「どんなデータを添えるか?」には、
半分は自分が伝えたいことに強引にこじつける事実を探してくる、
のバランスを取る
のが私の答えです。
勇気を持って自分の主張・意見を伝えよう!
わがままって、なんだかイメージ悪いですよね。
でも、「わがまま」という言葉は、もともと、「我(わが)」の「まま」。
ありのままの、等身大の自分の主義主張ということです。
主義主張に、利己的な欲求や不平不満などのネガティブな感情を乗せて発信をすると、相手には不快に響きます。
でも、
大人として、自分の主観、わがままを伝えようとするのはかなりな勇気が必要です。
その代わり、勇気をもって伝えると、かならずそこに共感し、「応援しよう」「協力しよう」「あなたと一緒に仕事がしたい」と言ってもらえる瞬間が来ます。
それはそれは、最高に幸せな瞬間です。

今回、私が受けた取材は、まさにそれ。
でもそれは、「私なりの意見・主観を述べることは怖い」という恐怖を乗り越え、自分だけの言葉で、「やりたい」「伝えたい」を発信しなければ得られない幸せ・満足です。
伝えるための、客観的な根拠の作り方や伝わるための構成の仕方、それは、普段私がお伝えしている「ロジカルシンキング」というツールがサポートします。
一方「これをやりたい」「これを伝えたい」は、私が答えをご提供することができません。
私にできることは、考えるきっかけや機会、考えるための切り口やツールをご提供すること。
第2期のオンライントレーニングでは、その部分についてもワークをしていきたいと思います。
興味がある方はぜひ楽しみにしてくださいね!