ロジカルシンキングの講師をしていると、日常生活でも職業病が出てしまうときがあります(;^_^A
先日も、生命保険の営業さんと、ちょっとした(いや、かなり濃厚な…)やり取りがありました。

その某生命保険さんは、定期的にセールスレディの方が訪問してこられるのですが、私は、これまで、「訪問してもらってよかった」「お話できてよかった」と思ったことが一度もなかったのです。
どんなやり取りがあって、私が何を感じたのかをここに綴りたいと思います。
新しい担当者さんとの電話でのやり取り
正直、忙しいし、事務的な話で30分も時間を取られるのがほんと迷惑。
そう思って、塩対応をし続けていました。
そんな折、前任の方が退職され、新しい担当の方から連絡がありました。
(会社の内規???私には会いたいという意思はないけれど、
まぁその会社と保険契約結んじゃったのも私だもんね…仕方ない…)
と、こんな感じで、相当な塩対応をしつつも、新しい担当の方とお会いすることになったわけです。
彼女の対応に私が怒った理由
さて当日。現れた女性は、あいさつもそこそこに、現況の確認を始めました。
もちろん、私は早く終わればいいなとしか思っていないので、
という塩対応。
しかし、彼女はめげませんでした。
一通り、現況を確認した後、なんと彼女は新しい商品のおススメを始めたのです。
私はそこでびっくりして、聞きました。
もちろん、あなただけでなく、会社と前任者も含めてですけど…。
私にとっては、時間の無駄でしかないし、お会いするメリットが一つもないのです。
会社のマニュアルで定められたトークスクリプトなのだと思いますが、この状況で、
新しい商品をおススメするのが理解できない
ということを彼女にお伝えしました。
その後、改めて話を伺ってみると、まだ今の仕事に就いて半年であること、前職の話や、
お子さんがいらっしゃることなどを、ぽつりぽつりと話してくれました。
さらに、面談が終わってから彼女から届いたメールには、
ということが書いてありました。
プライベートのことを話してくれているときの彼女、悩みを率直につづってくれた彼女のメールの文面からは、“彼女という人”が垣間見えて、ああ、人と話しているなあという感じがしました。

私、人嫌いではありますが、人に冷たいということでありません。
むしろ、機械的な対応をするような人間関係は無駄だからしたくないだけなんです。
人と人としての心の交流ができるならば、全力で関わりたいし、関わった人に何かお役に立てるのであれば、それ以上の喜びはないと思って関わっています。
私は人と話したい。人と関わりたい。
そんな私が、その生保のセールスレディさんに塩対応してしまうのは、前任者も現担当者も、マニュアル通りのトークしかしないから。
それって、自分自身のことを、話す機械だとみなし、相手を処理する案件だとみなしているってことですよね?
そこには、人と人とのかかわりが何もないんです。
そんな面談、私にとって1ミリもメリットがない。
人は機械じゃない。
私は人と話したいし、人と関わりたい。
もちろん、保険屋さんなので、保険のプロとしていろいろ知識は持っていてほしいです。
でも、それ以前の問題として、人間としてのあなたと、人間としての私の関係であってほしい。
機械的なやりとりは、いずれAIにとってかわられます。
でも、人の介在がなくならない理由は、そこに人と人との繋がり、心の交流があるからです。
「自分はこんな背景を持った者です」
「こんなことを感じる、考えている者です」
「あなたはどんな人なのですか?」
「どんなことを感じ、どんなことを考えるのですか?」
そんな、相手に対する素朴な興味関心と、相手と心を交えたいという意欲が感じられるコミュニケーション。
相手を決めつけたり、相手に押し付けたりすることなく、自然な会話の中から信頼関係を築く。
だと私は思うのです。
どんな職業であっても、プロである以上、専門知識や技術は必要です。
しかし、商品やサービス、業務に関する知識・技術さえあれば、認められるわけではありません。
特に、若い方、その職種や業務に就いてすぐの人は、自分の知識や経験が足りず自信が持てないかもしれません。

他者とのコミュニケーションをするときに気後れしてマニュアルに頼りたくなってしまったり、逆に自分を大きく見せることでなんとかその場をしのぎたくなってしまうかもしれません。
でも、そういう自信のなさからくる、表面的なコミュニケーションは、逆に相手に対して失礼な態度でしかありません。
でも、どんな人でも、相手と真摯にかかわることはできるはずです。
まずは、自分に素直になること。
自分の弱さや弱点を恐れずに、気負わずに、相手と向き合うこと。
そこからがスタートです。
P.S.
ちなみに、面談が終わってからのメールに、素直な悩みと今後頑張っていきたいという抱負を書いてくれた、生保の現担当Mさん。
最後にあなたからもらったメールには、Mさんの素直な気持ちが表現されていて、拝見して心が動かされました。
つい、職業病が出て、あれこれアドバイス書いてしまってごめんなさい。
来年お会いするときに、あなたがどんな風に成長しているのか(あるいは成長していないのか)とても楽しみです。
たった、1通のメールで、来年お会いするのが楽しみになってしまう。
そんなことがあるのですよ。
このメッセージがMさんに届くことはないかもしれませんが、陰ながら応援しています。