仕事でも、プライベートでも、「なぜ?」という問いはよく使われたり、質問されたりすると思います。
ただ、「なぜ?」と聞いて相手が沈黙してしまったり、
「なぜ?」と聞かれて返答に窮してしまった経験はないでしょうか?
さて今日は、その「なぜ?」にフィーチャーした
【『Why?』はなぜ劇薬なのか?!】というお話です。
「なぜ?」を5回繰り返す理由
よく、問題が起きたら
と言われます。
これはもともと、トヨタ式カイゼンで言われ始めたことで、
一般的には「物事を深く考えなさい」という意味で使われることが多いようです。
確かに、「なぜ?」という問いを自分に投げかけたり、相手に投げかけることによって、
- これまで言葉にできていなかったあいまいなアイデアを言語化
- 思いもよらない原因にたどり着く
このような結果が得られることがあります。
だからこそ、「なぜ?を5回」というメソッドが、これほどまでに広く知られているのでしょう。
しかし、
- 自分に対して「なぜ?」と問いかけても全く考えが浮かんでこない。
- 部下や後輩に「なぜなのか考えてごらん?」と問いかけても返答がない。
そんな経験はないでしょうか?
なぜこんなことが起きるのか。
それは、実は「なぜ?」という質問は、とても強い力を持っているからなのです。
「なぜ?」が持つ強い力と落とし穴
人間は、相手に(自分自身に)「なぜ?」と問われると、自然と「なぜなら…」と必ず考え込むようにできています。
しかし、強い力を持っているにもかかわらず、「なぜ?」は非常に漠然とした質問です。
- どの切り口から考えればいいのか?
- どの範囲について考えればいいのか?
- どこから手を付けて自分の考えを述べればいいのか?
漠然と「なぜ?」と問われると、それが見えないため、
に陥ってしまうのです。
「なぜ?」と聞いたり、聞かれた時に、
- 考えが全く出てこない
- 部下や後輩が黙り込んでしまう
こういったケースは、あなたや部下・後輩が何も考えていないのではなく、
「なぜ?」の使い方に問題があるのです。
「なぜ?」の正しい使い方
実は使い方が難しい「なぜ?」を、部下や後輩に対して多用しすぎると、部下や後輩が「問い詰められている」ように感じ、ますます自分で考えなくなったりします。
ではどうすれば「なぜ?」を使いこなせるのか?
実は、「なぜ?」という問いが1つだけだと考えにくく、
「なぜ?」の具体性をアップして質問の数を3つ以上に増やす
と考えやすくなります。
例えば、「うまくいかない」という問題について考えるとき、
- なぜうまくいかないのか?
という1点で考えるのではなく、
- 【どんな時に】うまくいかないのか?
- 【他の状況でも今回同様に】うまくいかないときはあるか?それはどんな時か?
- 【逆に、同じような状況なのに】うまく行く時はあるか?それはどんな時か?
という風に、考えるポイントを3点に嵩増ししてみるのです。
コツは、【】の中の部分です。
①どんな時に
②他でも①と同様に
③逆に①と同じなのに
このフレームワークはいろいろなケースで使えるので覚えておいて損はありません。
ちなみにこの考え方は、帰納法を応用した考え方です。
「なぜなら…」は事実から導き出される結論です。
「なぜ?」1点だと考えにくいことも、
①②③と具体的な事象を増やして共通点に着目すると、考えやすくなるのです。
是非、質問する時・される時はぜひ意識してみてくださいね!