ロジシンコラム

「自分の意見」を言葉にする方法【ロジシンコラム】

渡辺まどか
渡辺まどか
こんにちは。
渡辺まどかです。

 

今日は、「自分の意見を作る」というテーマで考えたいと思います。

 

組織の中にある程度在籍すると、「で、君の意見はなんなの?」と
意見を求められることが出てきます。

 

そこで自分の意見がうまく言えなくて、
「自分はダメなんだ…」と悩んでしまう方、とても多いです。

 

でも、これ、私の立場から言わせてもらうと、
「組織の中にある程度所属すると求められる」ということ自体に、
とても問題があることだと思っています。

 

自分の意見を言いづらいのは当然の帰結

そもそも、「意見」とは、とても主観的なものです。

 

自分が見たこと、聞いたこと、感じたことに対して、
どう考え、何をしたい・すべきと考えたのか、
逆に何をしたくない・すべきではないと考えたのか。

 

それが意見だからです。

 

ところが、仕事であれ、学校であれ、若手が意見を言うと
「それはルールだからできない」
「そんなことは考えなくていいからやりなさい」
と言われてしまうことがあります。

 

上司や先生からすると、
「この人はまだ仕事のことが、学校のことがわかっていない。
そんなことに口を出す前に、やることがあるだろう」
という感覚なのでしょう。

 

つまり、若手や子どもの、
「〇〇したい(あるいはしたくない)」という言葉を、
「単なるわがまま」と捉えている状態です。

 

しかし、こんなふうに若手や子どもの言葉を、
はなから否定することは、
「あなたが感じた違和感や問題点はつまらないもの、
考える必要のないものだから、考えなくていい、
意見を持たなくていい」
と言っているようなものです。

 

「もう少し育ってからじゃないと意見として取り合えない」という態度は、
若者や子どもに対して、「意見を言うな、考えるな」と言っているのと同じなのです。

 

渡辺まどか
渡辺まどか
こうして、自分の頭で考えること、意見を言うことを否定され続けたらどうなるでしょうか?

 

 

若者や子どもは、自分の頭で考え、
意見を言うことは良くないことだ、
必要ないことだと無意識に思い込むようになり、
言われたことに従うマシーンに徹するようになります。

 

ところが、そこから10数年経つと、
突然「自分の頭で考えろ、自分の意見を述べよ」
と言われるようになる。

 

これまでの10数年間、「考えるな、意見を言うな」という
メッセージを刷り込まれてきたのに、まるで、掌返しのような仕打ちです。

 

・指示待ちでチームのメンバーが動かない
・リーダーや管理職になったとたんに意見を求められてつらい

 

これはいずれも、過去の学習の結果起きていることなので、
当然の帰結なのです。

 

自分の中にある「気持ち」を言語化する

では、自分の意見を育てるためにはどうしたらいいか。

 

まず、自分の意見の根本は、「自分の気持ちである」
ということをよく覚えておいてください。

 

何かモヤモヤを感じる、
怒りや不安を感じる、
なんかやりたくないと感じる…

 

それこそが、あなたが感じている
「気持ち・感情」です。

 

どんなネガティブな感情であれ、
あなたがその気持ちを感じることは、
あなたにとって正当なことです。

 

ですから、「こんな私情はダメだ」とすぐ否定せずに、
自分の中で起きた気持ち・感情に向き合い、言語化してください。

 

それは、怒り?不安?嫌悪?罪悪感?後悔?悲しみ?

渡辺まどか
渡辺まどか
どんな言葉がしっくりきますか?

 

 

そして、しっくりくる言葉がみつかったら、
今度はその気持ちについて、詳しく具体的に書き出してください。

自分が、いつ、どこで、何に対して、どのように、どれくらい、
その気持ちになったのか。

しっかりと文章で書き出してください。

 

あなたの気持ち・感情が動いたということは、
あなたにとって、問題だと感じること、
取り組まなければという使命を感じることがあったから。

 

気持ちをしっかりと受け止めることで、
自分が感じた問題意識の対象物と、
どんな問題を感じたのかが言葉にしやすくなります。

 

問題を特定できれば、原因を究明しやすくなり、
対処法がみつかりやすくなります。

 

仮に、原因や対処法が自分の知識経験の中でわからなかったとしても、
「何が問題なのか?」が言葉にできていれば、
上司や同僚に相談しやすくなります。

 

 

「自分の意見」とは「〇〇すべき」だけではありません。

 

【自分にとって】何が問題なのかを特定できることが、
意見のもっともシンプルな形なのです。

ちなみに、【自分にとって】問題であるということがとても大事です。

 

【周囲の状況・常識の観点から見て】とか、
【組織や上司の観点から見て】は、「自分の意見」ではなく、
「人から言わされている意見」です。

 

「人から言わされている意見」だけで身を固めると、どこかで行き詰まります。
どんなにつたなくても、小さなことでもいいのです。

あなたご自身の意見を育てて下さいね。

 

人を育てることは、相手の意見を育てることから

もう一つ、大事なことがあります。

ぜひ、人を育てる方には、若手や子どもの意見を、
初見で否定したり決めつけたりせず、
その背景にある彼ら・彼女らの感じたもの、考えたことを、
言語化するサポートをしてほしいのです。

 

彼ら・彼女らが、あなたに伝える
「意見」や「意見に見えないような不平・不満」
「ただの独り言めいたつぶやき」は、意見の種、
僅かに土から顔を出した芽、です。

 

彼ら・彼女らには、それを言語化して説明する
知識と経験が不足しているのかもしれません。

 

 

・どんな事実を、目にした、耳にした、体験したのか
・そこから、何を感じ、考えたのか
・その上で、どうしたいと思っているのか

 

それを丁寧に聞き取ってあげて下さい。

 

意見とは、
①事実
②その事実をどのように推測・解釈したのか
③どう判断し、どんな行動をとりたいのか
これを3点揃えて説明できる時に、説得力が上がります。

 

しかし、残念ながら、若手や子どもにとっては、
知識・経験が①②③を言語化することが難しいのです。

 

上司や先輩、先生、親が、
①②③を整理しながら言語化するサポートをしてあげると、
「①②③をセットで話す」という習慣が身に付きます。

 

習慣がつくと、自分の意見を伝えることに積極的になるし、
小さな成功体験の積み重ねが、主体的な行動に繋がっていくのです。

 

 

どんな人も、意見の種である、その人だけの視点、
その人だけの感じ方を持っています。

 

それぞれの人が持つ意見の種を育てるサポートをすれば、
いずれ、その人だけがしうる、主体的な行動で、組織に貢献してくれます。

 

どうか、意見の芽を摘まずに、育てて下さい。

 

多様な人が、その人のもつ感じ方・考え方を活かして、
社会に貢献するために、自分の意見の芽を育てること、
他者の意見の芽を育てること。

 

そのサポートをしていくことが、私にとっての意見であり、使命です。

 

もし、あなた

・自分のモヤモヤした気持ちを言葉にできなくて困っている
・事実と意見を切り分ける方法をもっと詳しく知りたい

ということであれば、ご相談に乗ります。

お気軽にお声がけくださいね。
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