今日は、子どものケンカに学ぶ
「状況を正確に報告する技術」について
お伝えしたいと思います。
我が家には、
もうすぐ8歳・4歳になる息子がおりまして、
それはもうよくケンカをしています。
やられた方は、
「うわ~ん!あいつにやられた~!」
と訴えに来るわけですが、
母親として何がどういう状況だったのか?
を正確に把握しなければいけません。
こういうシチュエーションで
どういうポイントを押さえればいいのか?
考えてみましょう。

大人の場合は、上司や顧客に
トラブルや困った状況について報告する
というシチュエーションで読み替えてください。
それぞれのポイントを、
自分に問いかけるつもりで読み進めてくださいね。
①関係者は何人いて、それぞれだれなのか?
直接ケンカに参加していなくても、
そのトラブルのきっかけになった出来事・人物もいます。
まずは登場人物を全て洗い出しましょう。
②何が起きたのか?
誰が、何をしたのか?
時系列で確認しましょう。
このとき、主語が全て
「私」にならないように気を付けてください。
主語が全て「私」の書き方は例えば、
私はブランコで遊んでいた。
私は弟にブランコを横取りされた。
私は怒って弟をなじった。
私は弟に殴られた。
私は弟にやり返した。
という書き方になります。
日本語では良く使われますが、
ロジカルシンキングではお勧めしません。
主体があいまいになりやすく、
事実を分けて整理しにくくなるからです。
弟は私が載っているブランコを横取りした。
弟は私を殴った。
という風に、主語をしっかり変えて表現してください。
③最終的にどういう結果になったか?
自分たちでは解決できない
困った状況になっているから、
助けを求めに来ているわけです。
最終的に、誰が何に困っているのか?
確認しましょう。
弟はやり返されて泣いている。
私は弟を許せない気持ちでいっぱいだ。
(もうどうしていいのかわからない)
さて、ここまで
確認するポイントを見てきましたが、
実際には順調にこれらを
スムーズにヒアリングできる訳がありません。
相手にやられて嫌だったことは
たくさん教えてくれますが、
自分が悪い部分は話さない。
なぜか?
トラブルには人の感情が
絡まり合っているからです。
こういう感情が渦巻いていると、
冷静に時系列で事実を洗い出したり、
最終的な結果を客観的に話したりできないのです。
だから、「話したくない」のではなく、
感情が高ぶっているから
そもそも事実を認識できていないんです。

残念ながら、心の中で起きていることは
大人も子ども変わりません(苦笑)
「冷静にならなければ」と思えば思うほど、
自分によって都合の良い事実しか観察できないから、
状況を正確に報告できないのです。
そこで、次のステップです。
④自分はいまどんな気持ちなのか?
悔しいのか?悲しいのか?
怒っているのか?
自分の胸の内をのぞき込みましょう。
悔しいという気持ちは、
「期待通りの結果が得られなかったときの気持ち」
悲しいという気持ちは、
「持っていたものを失ったときの気持ち」
怒りという気持ちは、
「自分の大切なものを傷つけられたときの気持ち」
です。
その他にも、
恥ずかしさ、後悔、
嫉妬や恐怖、不安、絶望…
いろいろな気持ちがあるはずです。
何に対して、どのように、
どれくらいその気持ちを感じているのか。
しっかりと言葉にして吐き出しましょう。
例えば、子どものケンカだと、
自分は『早くブランコに乗りたい』
という気持ちを我慢して、
順番を守っていたのに、
弟は待つことをせずに横取りをした。
自分は我慢したのに、弟は我慢しなくてずるい!
自分の我慢するという頑張りを
否定された気持ち=怒りでいっぱいだ。
だから、弟を殴ってしまった
という具合です。
その気持ちをなかったことにすると、
いつまでたっても事実を客観視することができません。
自分で言葉にすることは、
自分の気持ちを認める・受容することであり、
自分に対するケアです。
感情の揺らぎが収まるまで、
しっかりと自分の気持ちを受け取ってください。
何度も言いますが、
これ、子どもだけじゃないですよ?
大人も同じです。
大人としてこんなことで
動揺するようじゃダメだ!
なんて考えると、
感情を押し込めることになります。
余計に状況を正確に
報告することができなくなるんです。
弱い自分も、情けない自分も、
きちんと向き合ってください。
実は、④までがしっかりとできると、
次に自分が取るべき行動に確信が持てます。
⑤自分は何をすべきと思うか?
本来、誰もが、
次にどういう行動をとるべきかは、
心の奥底で知っています。
それができずに、言い訳をしたくなったり、
責任転嫁をしたくなったり、
他の人を攻撃したくなる時は、
④の自分の気持ちが受け取れていないんです。
自分がどういう気持ちになっているかを
しっかりと受け止められると、
自然と物事の客観視ができるようになります。
そうすると、冷静に、
どういう行動をとるべきなのか、わかるんです。
子どもの場合も、
自分の気持ちを言葉にできると、
ということは分かっている。
殴ってしまったからには、謝らなければいけない。
というルールを受け入れられます。
本当は、自分が何をすべきか、知っているのです。
腹が立つ、悔しいという気持ちがあるから
それができないだけ。
気持ちが受け取れると、
本来取るべき行動を自然にできます。
大人も同じです。
客観的に物事が見られないときは、
試してみてくださいね。
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