自分の思いを言語化する技術

伝え上手になれる!言葉を磨く方法【前編】

渡辺まどか
渡辺まどか
こんにちは。
渡辺まどかです。

 

よく、
パーソナルトレーニングを受けた方から、

「渡辺さんと話していると、すっきりしました」
「もやもやと考えていたことが言語化されました」

と言われます。

 

はい、私自身も、この
「言語化」がめちゃくちゃ得意だ
という自信があります。

 

今日は、
「あたまの中のもやもやを言語化するには?」
というテーマで考えてみたいと思います。

 

知らない言葉は考えられない

頭の中のもやもやを
言語化するために必要な要素は、
実は大きく3つあります。

 

長文になりますので、
今回は「言葉の引き出し」
フォーカスして考えてみたいと思います。

「言語化」するためには、
当然、言葉を知らなければいけません。

 

普段意識することはありませんが、
実は、

言葉を扱うことができる範囲
=考えられる範囲

なのです。

 

これを実感するエピソードとして、
帰国子女の方のカウンセリングについて
ご紹介してみたいと思います。

 

その方は、学生時代
ずっと英語圏で暮らしていて、

日本に帰国して働き始めた
帰国子女の方でした。

 

学生時代は自分の意見が言えたのに、
働き始めてから
うまく自分の意見が言えなくなって
困っているというのです。

 

「もしかして、
英語で考えて英語で話したほうが
楽だったりしませんか?」
と伺ったところ、

「その通りです」とのこと。

 

 

その方にとっては、英語の方が
言語理解・言語操作がしやすいので、

自分の考えていることを
楽にアウトプットできるんですね。

 

当たり前ですが、
単語を知らない、単語の連なりとして
文章を考えられないことには、
自分の考えを言語化することはできません。

 

 

しかし、普段、
母国語として何不自由なく
日本語を使っていたとしても、
言語化は難しいものです。

 

日常的に日本語が使えることと、
複雑な考え・概念を言語化できることは、
実は別物なんです。

 

ビジネスについて語りたいのであれば、
ビジネスに関する言語理解・言語操作が
豊かでなければ、言語化はできません。

 

自分の人生やキャリアについて
語りたいのであれば、

自分の気持ちややりたいことを
語るための言葉が必要なのです。

 

では、どうすれば、
自分が感じていること・考えていることを
言語化するための言葉を
獲得できるのでしょうか。

 

まず大事なのは、
ボキャブラリーの豊富さも大事です。

 

渡辺まどか
渡辺まどか
ぜひ、
言葉の意味や使い方について、
勉強してください。

 

 

その用語は「あなたにとって」どんな意味?

 

例えば、ビジネスでよく使われる
「営業力」「付加価値」
「戦略的」「業務効率化」
なんていうキーワード。

 

ぜひ、ふわっとした理解でとどめず、
それはどういうことなのか、
言葉の定義、用法を、

正確に、具体的に、
自分の組織・仕事に置き換えて、
理解するように努めてください。

 

自分の組織や業務に、
どのような背景、状況があって、
それが必要なのか。
それは、どいういう意味なのか、
自分の組織や業務において、
何をどうしたら、それが実現するのか。
それを実現することによって、
自分の組織や業務において、
具体的に何が、どのくらい定量的に、
良くなる(悪くなる)のか。

 

言葉についての理解、知識量が
増えれば増えるほど、

自分が感じていること・考えていることに
マッチする言葉を選ぶのが楽になります。

 

 

思ったこと、正確に言えてますか?

そして、
「ボキャブラリーの豊富さ」同様
大事なのが、

「マッチする言葉を粘り強く選ぶこと」
なのです。

 

普段、私たちは、
瞬時に使う単語を選び、
話したり書いたりしています。

 

簡単な概念であれば、
それにぴったりの言葉が存在しています。

 

空から降ってくる水には
「雨」という言葉が存在していますし、

ご飯を食べるときに口にする言葉は
「いただきます」という言葉です。

 

だから、
ナチュラルな会話が成り立つスピードで、
書いたりパソコン・スマホで文字を打つスピードで、

考えていることを、
無意識のうちに言語化できています。

 

 

しかし、私たちが
仕事やプライベートで、

「自分の考えを言語化したい」
と考えるときには、

もっと複雑な概念を
言葉に置き換えようとしています。

 

 

全てを一言で語る言葉がないのに、
一部を言語化しただけで
全てを表現できたつもりになってしまう。

ぴったりくる言葉ではないのに、
「雰囲気が似ている言葉」を使うことで、
言いたいことが言えたようなつもりになってしまう。

 

言語化できていないのは、

複雑な考え・概念であるにもかかわらず、

「自分の感じていること・
考えていることにマッチする言葉」を、

粘り強く選べていないこと
起因しています。

 

言葉を選び抜けていない具体的な事例

 

例えば、

経験の浅いアシスタントが、
申請書のデータ入力でミスを犯し、
別システムとのデータ統合でエラーが出た。

そもそもアシスタントの人は、
最近別件で業務がパンパンになっていて
入力のダブルチェックをする時間もとれなさそうだっだし、

ちょっと気が弱いみたいで、
申請書を提出した先輩社員に
内容を確認したり差し戻したりしくそうにしている

という状況を、

上司に報告する際、
どんなふうに表現したらいいでしょうか?

 

状況としては
「アシスタントによる
データ入力ミスで、エラーが起きた」
かもしれませんが、

それだけでは、

アシスタントの余裕のなさや
先輩社員とのコミュニケーション不全を
表現することができません。

 

「データ入力ミスによるシステムエラー」は、
考えていることの一部です。

それも、状況を表現する言葉を、
自分のボキャブラリーから
引っ張り出しやすい部分について
言語化しているにすぎません。

 

むしろ、
本当に上司に報告すべきなのは、

アシスタントの業務量のひっ迫度合いや
他社員とのコミュニケーションの取りにくさの方なのに、

それをぴったり表す言葉が見つからない、
見つけるのが面倒くさいがゆえに、
表現するのを諦めてしまい、

「データ入力ミスによるシステムエラー」
が言語化できた時点で、

もう言いたいことを言えたからいいや、
になってしまったりするのです。

 

 

あるいは、
「よくある定型表現」をあてはめて、
それで満足することもしばしばあります。

例えば、

「アシスタントの注意不足・
コミュニケーションスキル不足が原因」

と表現すれば、
アシスタント側の問題点について
言及したように見えます。

 

 

しかし、
ほんとうに伝えるべきニュアンスは、

アシスタントの業務のひっ迫の背景
(例えば、本来アシスタントに
頼むべきでない業務を丸投げしている社員がいる)
アシスタントの居心地の悪さ
(業務連絡ばかりでカジュアルなコミュニケーションがとれず、
気軽に話しかけられない)

だったりします。

 

そのニュアンスが
表現しきれていないので、
根本的な解決策につながりません。

 

渡辺まどか
渡辺まどか
この状況では、アシスタントに
「もっとがんばれ」というくらいしか
対応策が見つからないのです。

 

 

時間がかかっていい。自分だけの言葉の力になる。

 

言葉を選ぶということは、

自分の感じていること・
考えていることは
なんであるのか?

を、正確に同定することと同義です。

 

大抵の場合、複雑な考え・概念は、
複数の考え・概念が
相互に関係しあい、繋がって絡まりあっています。

 

それをいきなり、一言で、
ぴったり表現する言葉を
探そうとすることに無理があります。

 

できる限り最小単位の
出来事や状況について、
「ぴったり表現する言葉」を選ぶ。

 

その積み重ねが、複雑な
「もやもやした考えを言語化する」
につながっていきます。

ぜひ、粘り強く、
自分の考えていることに
マッチする言葉を選んでください。

 

よくある表現を使わずに、

自分の言葉で
それを表現するには
どんな言葉を選べばいいのか。

一言で表現する必要はありません。

 

まずは、文章で、
思いつくままに書き出してみる。

 

気が済むまで書き出してから、

立ち止まって、
それはどういうことか?
と考え始めてください。

 

 

自分の考え・アイデアを
言語化するときには、
他人や他の仕事に邪魔されない時間をとって、
集中することが重要です。

 

渡辺まどか
渡辺まどか
ぜひ、静かに自分の頭の中と
向き合う時間を確保してください。

 

「言葉の引き出し」に関して、
もう少し続きます。

長くなってしまったので、
「言葉の引き出し」の後半は
次回に持ち越したいと思います。

 

 

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