自分の思いを言語化する技術

自分のままで、相手のニーズに応える【前編】

渡辺まどか
渡辺まどか
こんにちは。
渡辺まどかです。

 

「言語化」に
焦点を当てた

シリーズの第5回目です。

 

1回目:
言葉の引き出し【前編】
(語彙を増やす&言葉を粘り強く選ぶ)

2回目:
言葉の引き出し【後編】
(ぐっとくるキーワードを掘り下げる)

3回目:
自分なりの考え・アイデア【1】
(責任範囲の少し外を、自分事で考える)

4回目:
自分なりの考え・アイデア【2】
(「課題」と「実行手段と手順」の解像度を上げる) 

 

前回は、

「課題」と「実行手段と手順」の
解像度を上げよう、

そのために、

相手のことを、
広く深く知る努力をしよう、

という内容をご紹介しました。

 

要は、
「相手のニーズを捉えよう」
ということです。

 

相手のニーズを知る方法

普段私たちは、
自分が考えている以上に、

自分勝手に
(自組織の都合のいいように)

見たい範囲しか見ていないし、
聞きたいことしか聞いていません。

 

 

無意識のうちに、
自分の期待や勝手なイメージを
相手に当てはめ、

その期待やイメージに合う
情報ならば受け取るし、

合わないならば
見えないし聞こえない。

 

 

残念ながら、
相手の丸ごとを、
過去や背景も含めて
聴く・見ることは
できていないのです。

 

渡辺まどか
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決して悪意ではありませんし、
それが普通のことなのです。

 

だからこそ、
「純粋な」相手のニーズ

=相手が何に困っているか、
何を欲しているか

を知るためには、

 

意識して、過去や背景、
自分には直接関係なさそうだ
と思えるような情報まで、

相手の「丸ごと」に興味を持って、
相手と関わろうと努力しなければ、

 

いつまでたっても
「自分の色眼鏡」のまま、

自分(自組織)の都合の
いいようにしか、

相手のニーズを
捉えることができないのです。

 

 

色眼鏡を外せたと思ったら…

真面目な方であれば、

このままではいけない、
もっと相手に誠実に、
もっと真剣に関わらなければ

と考えるでしょう。

 

 

そんな意思のもとに、
相手の丸ごとに興味を持ち、
相手のことを知りたいと
努力したとしましょう。

 

 

ところが、

意思とは裏腹に、
相手のニーズに押しつぶされて、
相手のニーズを見る・聞くことが
できなくなります。

このままの自分では
(自組織では/自社の製品やサービスでは)、

相手のニーズを満たすことはできない

 

必要なモノがそろっていないし、
必要なモノをそろえるには
膨大な手間と時間がかかりすぎて、
とてもじゃないが無理だ

 

無理なモノに
取り組んでも無駄だ、

だから、相手のすべてを
見る・聞くなんてしたくないし、
する必要がない

 

 

と、

結局、
相手の丸ごとに
向き合うことを避け、

また独り善がりに
相手を見る・聞く方向に
戻ってしまうのです。

 

 

相手と向き合うこと、
市場や顧客と向き合うことが
重要だとわかっていても、

自分本位にしか考えられない、
自社の内部事情でしか
考えられないのは、

自己肯定感の低さ

=自分自身、自組織、
自社の製品・サービスに対する
自信のなさ

が一因になっているように
感じられます。

 

 

自分(自社)のままで、ニーズに応える

では、どうすれば、
自己肯定感=自信を
高められるのか。

実は、ちょっと逆説的に
聞こえるかもしれませんが、

「自分の色眼鏡でものを見ていいんだ」
と、自分感じ方・考え方を
全て受け入れることにあります。

 

そもそも、

私たちは機械ではなく人間なので、

現実に起きていること・
目の前の相手の話や行動を、

100%客観的に
見る・聞くことはできません。

 

渡辺まどか
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多かれ少なかれ、
そこには主観が交じります。

 

でも、
その主観(=自分の色眼鏡)こそが、
実は大事なのです。

 

人が「誰かに」「何かに」
魅力を感じるのは、

その人やモノに、
際立った個性を感じるからです。

 

しかし、

個性は、
生まれ持ったものであり、

本来、誰もが
「人とは違う個性」を
備えています。

 

どんな個性であれ、
それ自体は尊いものであり、
等しく「価値」を持つものです。

 

大事なことだから
もう一度言いますね。

 

何かができなくても、
優れていなくても、

あなたはただいるだけで、
十分に「価値ある」人間です。

 

 

ただし、

他者から強く求められる、
魅力があると感じられるのには、

「他と違う」だけでなく、
「その人だから」という要素が、

人の目から見て
確認できる程度にまで

明確になっている
ということが重要になります。

 

 

あなた自身が、
自分自身の個性を活かして、
発言・行動することが、
他者を惹きつけるのです。

 

最後に人の心を動かすもの

個性を活かした言動・
主観を生かした発言とは、

心の底から自分が信じている
信念、本音の本気の言動です。

 

本音・本気、信念こそが、
他者の心を動かすのです。

 

渡辺まどか
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個人や組織であるならば、
自分(自組織)の
「信念はこれ」と明言でき、

その信念と行動が
一致している人(組織)は
魅力的に見えるでしょう。

 

商品やサービスであるならば、
「提供する価値はこれ」だと、
できる限り具体的に方針が定まっており、

その方針と、
目に見える機能や仕様、
価格、提供方法等が一貫してると、

訴求力が高く、
売れる商品・サービスになります。

 

 

「他と違う」だけでは、
具体性がありません。

 

必要なのは、

「私の信念は○○だ」
「自社の商品・サービスの
提供価値は○○だ」

言い切る強さ、

それを、

自分(組織のメンバー全員)が、
自覚できる「言語」として
定義されていることが大事なのです。

 

確かに、最初から、
100%のレベルで
相手のニーズに応えられる、

自分の信念に基づいた
考え・アイデアが
発信できるわけではないでしょう。

 

 

しかし、
自分という軸のない
考え・アイデアは、
底が知れているし、
相手からも見透かされます。

 

 

どんなに、
相手のニーズ・レベルを
満たすことができたとしても、

そこに、自分なりの
本音、本気、信念が
含まれていないと、

相手と向き合い続ける強度が
保てないのです。

 

この連載で、
「自分なりの考え・アイデア」
と言っているものの本質は、

「自分が心の底から信じている信念」、
それを実現するための
発言や行動と言えます。

 
自分なりの考え・アイデア
=自分が心の底から信じている信念

とは、

なぜ私は、その信念を信じるのか?
=過去の経験から得られた課題
=自分にとっての行動原理、理由・目的
私はどうやってそれを
実現していきたいのか?

=その信念を実現するための行動、
行動を継続的に試行錯誤すること

を言語化したものです。

 
前回の記事で、

相手の「課題」と
「実行手段と手順」の
解像度を上げること

について触れましたが、

 

実は、

それと同時並行で、

自分の「課題(=理由・目的)」と
「実行手段と手順(=行動)」

を明らかにしないと、
相手に対して
誠実に向き合えない
ということなんですね。

 

とはいえ、
自分の本音で語ることや、

自分が心の底から
自分が信じている信念を
行動に移すことは、

勇気のいることです。

 

渡辺まどか
渡辺まどか
どうすれば、

自分の本音で語ること、
信念を持ち行動に
うつすことができるのかは、
次回のテーマとしたいと思います。

 

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