「どうしたらもっとわかりやすく説明できるんだろう?」
そんな風に悩まれた経験はありませんか?
先日、渋谷 BOOK LAB TOKYOさんで『わかりやすい説明ってどうすればできるの?』というセミナーを開催しました。
イベントの模様をイベントレポートとして振り返りつつ、皆さんにご紹介したいと思います。
※8/18(日)10:00〜12:00「わかりやすい説明ってどうすればできるの?」セミナーのリクエスト開催が決まりました。詳細はこちら
(過去の渡辺のセミナー参加者は半額でご参加頂けます。(+ワンドリンクオーダー))
目次
自己紹介
セミナーの内容に入る前に、まず私の自己紹介をさせてください。
ロジカルシンキングの講師/コンサルタントをしています。
ロジカルシンキングを教えているので「理系ですか?」とすごく言われるんですけど、
実はめちゃめちゃ文系です(笑)
当日はロジカルは全然意識してなくて、むしろ「直感」で生きるタイプ。
大学も文系部で、バイトに明け暮れるような普通の大学生でした。
ITの会社に就職してSEの仕事に就き、主にはwebのデザインなどを中心にやっていました。
社会人なりたての頃は「ロジカルって何?」という状態で、
どちらかと言うと「直感」や「イメージ」で生きてました。
しかし、その後コンサルティングの会社に転職して、
大きくロジックの方に舵を切ることになりました。
はじめは「ロジカルシンキングって何?」というところからのスタートでしたが、
上司・お客様・先輩や同僚に鍛えられ、戦略コンサルタントとしてロジカルな説明、
ロジカルに提案するスキルを身につけました。
しかし、働きすぎて、体を壊してしまいました。。。
そして、コンサルタントを辞めて、フリーランスの研修講師として働き始めました。
この段階では「ロジカルシンキングを専門に教えよう」と思っておらず、
たまたま依頼して頂いたのがロジカルシンキングの研修講師のお仕事でした。
一番最初はロジカルシンキングの企業研修のお仕事を先にお話を頂きましたが、
いきなり企業でやるのは勇気がいるなということで、
練習を兼ねてストアカで「ロジカルシンキング入門」という講座をスタートしました。
私はこんな人のためにロジカルシンキングをお伝えしていきたい
「ロジカルシンキング入門」という講座を最初に作ったので、「応用編とか、実践編とかないんですか?」とよく言われますが、入門講座をほぼ1本で開催を続けています。
私自身、最初は自分が学んできたことをそのまま伝えているだけだったのですが、ロジカルシンキングは難しいものと思っていて、不安な気持ちで来られる方が多く、
ロジカルシンキングに対して
- 本は読んでもよくわからない
- 勉強したけれど全然身につかない
- うまく伝えたいのになかな活かせない
そういう人にロジカルシンキングを身につけてもらうにはどうしたらいいか?を考えるようになりました。
4年半、ストアカで「ロジカルシンキング入門講座」ほぼ1本でずっとセミナーをやってきて、現在に至るまで通算68回、延べ478名の方にご参加頂いています(4/16現在)。
(他の講座も含めると800名近い方たちに教えてきました)
自分自身がウェブのデザインからコンサルタントになる時に、自分のためにロジカルシンキングを学んだ時以上に、
その方が自分自身もずっとずっと学びが大きいですし、やっていて面白いです。
次第にそこに自分自身が力を注いでいきたいと思うようになりました。
もともとロジカルな方は無意識の内にできてしまったり、
フィーリングやセンスでできているところは正直あると思います。
例えば、会社の上司に「ロジカルじゃないな〜。もっとロジカルに説明してよ」言われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、その上司も、そう言う割には、どうやったらロジカルにできるのか教えてくれない。
私が4年半ロジカルシンキングの講座をやってわかったのは、上司や先輩に
- 君の話はロジカルじゃない
- もっとわかるように説明してくれ
と言われている人も、きちんと「考えたいこと・伝えたいこと」を持っていて、伝え方を知らないだけ、ということでした。
- ロジカルな人 ⇒無意識のうちにできている
フィーリング・センス =再現性がない - ロジカルでない人⇒「考えたい・伝えたいこと」を内に秘めている
やり方を知らないだけ
なので、私はロジカルじゃないと言われて悩んでいる人に対して、
ロジカルに「考えること・伝えること」をわかりやすく解説して、
考えたい・伝えたいことがあるだけで「大丈夫だよ」という“安心感”と
「私にもできそう!」という“自信”を持って頂きたい
そのような思いで活動しています。
セミナーの流れ
当日は実践ワークを含めたこんな内容を2時間でお送りしました。
セミナーの内容
- わかりやすい説明をするための4つの鉄則
- わかりやすさって何だろう?
- わかりやすさの3要素
- わかりやすさを作る「ピラミッドストラクチャー」
- やってみよう!わかりやすい説明
- 質疑応答
講義だけでなく、実際にわかりやすい説明をするワークをやって頂きました。
まず覚えていただきたいこと。それは
まず押さえて頂きたいのが、「4」つの鉄則です。
わかりやすい説明をするための「4つの鉄則」
多くの人ができていそうでできていない4つの鉄則がこちらです。
一、説明する前に準備をするべし
二、説明する前にリハーサルをするべし
三、話す内容を忘れるべからず
四、・・・・・・
一、説明する前に準備をするべし
結構、準備をしない人が多いです。
準備をしないでいったら言葉に詰まるのは当たり前。
私自身もこういったセミナーの前にリハーサルをしますし、誰かに説明する時は必ず準備をします。
二、説明する前にリハーサルをするべし
これも意外としない人が多いです。
大事なプレゼンの前ならリハーサル準備をしても、ちょっとした説明の時にリハーサルをしないことの方が多くないですか?
「大人になったからできるかな」「自分の器量ならできるかな」ってみんな思うんですよ。
でも、リハーサルしないと詰まります。緊張します。
当たり前のことですけど、押さえておきましょう!
三、話す内容を忘れるべからず
意外と忘れてしまいがちです。
忘れちゃうからと言ってきっちり原稿を書いてそれ通りにやろうと思うと、それはそれで緊張してできなくなってしまう。
そこまでやらなくても、話す内容を忘れないようにしておかないと、相手に届くような説明は難しです。
四、・・・・・・は後ほどお伝えますね(ジラし)
さて、先ほどから何度も「わかりやすい説明」という言葉を使っていますが、
そもそも「わかりやすさ」ってなんだと思いますか?
“わかりやすさ”って何だろう?
どうすれば、わかりやすい説明ができるのか?
わかりやすさとは何なのか?
わかりやすく伝えるためには、次の3つ要素を網羅する必要があります。
※大前提 = 伝えたいことがある
- 全体像
- ストーリー
- 具体性
この3つが全て備わっていてはじめて「わかりやすい」と言えます。
わかりやすさの3要素「①全体像」
1つ目は「全体像」です。
- 全体がどんな構成要素からできているか?
- 各要素の主題は何か?
- いまどの部分か?
具体例)
- 目次やテーマ一覧を最初に見せる
- 「ポイントは3つです」
- 「まず…」「次に…」「最後に…」
なぜ、全体像があるとわかりやすくなるのかと言うと、聞いている人が
「今、この部分を話しているんだな」とイメージでき、迷子のならないからです。
いわゆる、目次とかテーマ一覧、アジェンダも、全体像を伝える働きをします。
「全体像」を押さえるとわかりやすくなる、これが1つ目のポイントです。
わかりやすさの3要素「②ストーリー」
2つ目は「ストーリー」です。
- 構成要素の順番、要素同士の相互の関係性
- 全体がひとつの繋がったストーリーとして、相手の心に響くか?
具体例)
- 起承転結
- 「あなたは××ということに困っていませんか?」「そんなあなたに、○○をおすすめします」
どんなに「全体像」が整理されていても、全部がバラバラで内容につながりがないとやっぱりわかりにくい。
起承転結もストーリーの1つの形。
あるいは、通販などの番組でよく見る、
「あなたはこんなことに困っていませんか?」
「そんなあなたにこんな商品があります!」
という説明の仕方。
これもまさにストーリーを重視した説明です。
「こんなことに悩んでませんか?」と言われて「そうそうそうんだよ」と思ったところに、商品の説明をされると「なるほど!」思ってしまう。
これがストーリーの力です。
「ストーリー」が2つ目のわかりやすさの構成要素です。
わかりやすさの3要素「③具体性」
3つ目は「具体性」です。
- 根拠となる、データや事象などの「事実」
- 過去事例や他社事例など「事例」
- 自分がそう考えるに至った「自分の経験」
「事実」「事例」「自分の経験」はそれぞれ具体性の要素ではあるのですが、それぞれ性格が違います。
- 左に行くほど「客観性」が高い
➡︎目で見て確認でき、お互いに「なるほど」と言いやすい - 右に行くほど「主観性」が高い
➡︎感情に訴えることができ、相手の心に響きやすい
ビジネスの上で「客観的にデータを押さえましょう」「根拠を押さえましょう」など言われると思います。
それはもちろん必要なことなんですけど、上司やお客様に提案したり、他の人に動いてもらったり、他の人を巻き込みたいと思った時に、
「事例」「自分の経験」など、“主観的”なもので感情に訴えることができないと、相手が動いてくれないということが起こります。
心が動かされて初めて「私もやってみよう」「協力しましょう」そんな風に相手に動いてもらいやすくなるのです。
まとめると、以下のようになります。
1.全体像
- 全体がどんな構成要素からできているか?
- 各要素の主題は何か?
- いまどの部分か?
2.ストーリー
- 構成要素の順番
- 要素同士の相互の関係性
- 全体がひとつの繋がったストーリーとして、相手の心に響くか?
3.具体性
- 根拠となる、データや事象などの「事実」
- 過去事例や他社事例など「事例」
- 自分がそう考えるに至った「自分の経験」
“わかりやすい”の要素が抜けると聞き手はどうなるのか?
では、逆にわかりやすいの3つの要素が抜けるとどうなってしまうのでしょうか?
1.全体像が抜けると…
➡︎「今、何の話してるの?」聞く人が迷子になってしまいます。
➡︎聞き手が考えながら聞かないといけないので、ついてけなくなってしまう。
➡︎「で、結局何が言いたいの?」 と言われやすくなってしまいます。
2.ストーリーが抜けると…
➡︎「なるほど。理解はできるんだけど……(すっきりしない顔)」
3.具体性が抜けると…
➡︎「う〜ん、なんとなくわかったけど、、、」
➡︎根拠がない、具体的にどうすればいいのかがないと決められない
次どうしたらいいのかわからないという状態になります。
➡︎「判断できない」「もっと具体的に言って」
以上にように、この3つどれが欠けてもわかりやすさに繋がっていきません。
つまり、わかりやすさのために大事なのは「伝えたいこと」があるのが大前提で、その上で、
- 全体像
- ストーリー
- 具体性
がもれなく備わっていることです。
書籍の中では、さらに詳しくピラミッドストラクチャーの作り方などをご紹介させて頂いております。
わかりやすさを作る「ピラミッドストラクチャー」
今日はこのピラミッドストラクチャーをどういうものなのかを簡単に説明させて頂きます。
ピラミッドストラクチャーとは?
ピラミッドストラクチャーの特徴として、「伝えたいこと」と「根拠」がピラミッド状に構成されているというところがあります。
- イシュー = 問い
- メッセージ = 答え = 伝えたいことを文章にしたもの
- 「問い」と「答え」なので、イシューとメッセージは必ず1対になる
これらをピラミッド上に構成していくのが、ピラミッドストラクチャーです。
そして、大きく
- 「メインイシュー」と 「メインメッセージ」
- 「サブイシュー」と 「サブメッセージ」
という2つの対があります。
ピラミッドストラクチャーの6つの基礎
それでは、「ピラミッドストラクチャーの6つの基礎」を順番にお伝えしていきますね。
ピラミッドストラクチャーの基礎①「メインイシューとメインメッセージ」
メインイシューとは、「相手が知りたいこと」、(相手の)興味のあること これを「問い」の形で表現したものです。
例えば、
- 我が社は新規新規事業に参入するべきか?
- 貴社はこのサービスを導入すべきか?
それに対する「答え」がメインメッセージです。
メインメッセージは、伝えたいことを端的に表す文章になります。
ピラミッドストラクチャーの基礎②「サブイシュー」
サブイシューは「相手がなるほど」と思うポイントを網羅したもの。
ここも問いなので、疑問文の形もなります。
ピラミッドストラクチャーの基礎③「サブメッセージ」
サブメッセージは、サブイシューの対する「答え」です。
サブイシューに沿ってメッセージを導き出します。
ピラミッドストラクチャーの基礎④「事象」
「事象」には
- データや事象などの「事実」
- 過去事例や他社事例など「事例」
- 自分がそう考えるに至った「自分の経験」
などを具体的に記入します。
ピラミッドストラクチャーの基礎⑤「作る順番」
そして、これらのものをどうやって構成していくかのと言うと、
原則は、
- 下から上に作る
- 上のボックス=「下のボックスから言えること」は何か?
という形で導き出していきます。
「事実」や「自分の経験」から言えることは?
⬇︎
サブメッセージ
⬇︎
そこから、最終的に言えることは?
⬇︎
メインメッセージ
ピラミッドストラクチャーの基礎⑥「構造」
下から上に作っていくと 必ず下のボックスが上のボックスの根拠になります。
「〜するべきである。なぜなら・・・・」
そういう形に構成されるのがピラミッドストラクチャーです。
明日から使える!ロジカルシンキング入門【1日コース】
『図解でわかる! ロジカルシンキング』渡辺 まどか (著)
ピラミッドストラクチャーを使うメリット
ピラミッドストラクチャーを使うことで、
1「全体像」が把握しやすい
2 ストーリーを作りやすい
3 具体性が必ず備わる
そうなんです!
ピラミッドストラクチャーを作ると「わかりやすさの3つ要素」を全て押さえられます。
わかりやすい説明のための“4つ目の鉄則”とは?
実は、先ほど伏せていた、「わかりやすい説明をするための4つ目の鉄則」は
当たり前ですけど、説明する時には相手がいます。
相手が受け取りやすい形で話さないと納得してもらえないです。
以前来てくださったお客様で、ご自身が部長さんで社長に対して、「社長がやろうとしている方法ではないやリ方で伝えたいんです」とおしゃっていました。
ピラミッドストラクチャーを作ってもらったんですけど、最初はメインシューが「どうすれば私のやり方がいいと思ってもらえるか?」でした。
でも、それで社長に伝えようとすると、明らかに社長に怒られますよね?
だって、「社長、あなたは間違ってます。私の方が正しいんです」って言うんですよ。
その方に抜けていたのは、
だ、ということでした。
相手が受け取りやすいようにするのではなく、自分が話したいように話してしまっていたのです。
それだと伝わりませんし、納得してもらえません。
今の例で言うと、社長さんが受け取りやすいのは、例えば、
「こうした方が効率的に物事が進められますよ」
「コストを抑えて進められますよ」
言いたいことは一緒なんですが、こちらの方が社長さんは「なるほど」って思いやすいですよね?
このように、メインイシューを「相手が知りたいこと・興味のあること」で考え抜くと、相手が受け取りやすいように話すことができます。
一、説明する前に準備をするべし
二、説明する前にリハーサルをするべし
三、話す内容を忘れるべからず
四、“相手が受け取りやすいように”話すべし
このようにピラミッドストラクチャーを作ると、「わかりやすい説明の4+3」全て押さえられます。
以上が、わかりやすい説明の「4+3」の解説でした。
ピラミッドストラクチャーをカジュアルに使うコツ
この後、「ピラミッドストラクチャーの作り方」を解説しました。ただ、それを実践しようと思うとなかなか大変かもしれません。
そこで、日常的な「わかりやすい説明」のために使える
- ピラミッドストラクチャーをカジュアルに使うコツ
- よくある2つのサブイシューの型
をお伝えし、実践編として、「私のオススメ」というテーマで、上記のポイントを踏まえて相手にわかりやすく伝えるワークをやっていただきました。
ワークのご感想
「自分が思ってたよりも2分が短く感じました」
「わかりやすく説明しようとすると、どうしても長くなって時間切れになり、難しかったです」
長く説明するとわかりやすくなる気がするかもしれませんが、逆にそれがわかりにくくなることもあります。
なので、準備をする、リハーサルをするのはとっても大事です。
「この順番でやると非常に作りやすいなと感じました」
「相手がどう思うかと言うのをすっかり忘れていたので、忘れないようにしたいです」
「相手の方が先に訴求する部分を言っていたので、そこは自分も勉強しなきゃなと思いました」
同じ内容でも、相手によって説明の仕方は変わります。
相手が違えば、
- どういう枠組みを使うべきか?
- どういうサブイシューを使うべきか?
も変わってくるはずなんですね。
とは言え、毎回毎回ゼロから考えて行くのは大変なので、今回ご紹介したような簡単なサブイシューから使っていただければ、ワークでやったように20分くらいあれば準備できると思います。
普段、何か話さなきゃいけないって時に、こういった形で準備して頂くだけで違うのかなと思いますの、是非是非、日常で使っていただきたいなと思います。
まとめ
今回は、わかりやすい説明の3つの要素やわかりやすく説明するためのツールとしての“ピラミッドストラクチャー”について解説させて頂きました。
ピラミッドストラクチャーを本気で作ろうと思うと時間がかかりますが、今回はカジュアルに使って頂く方法を体験して頂きました。
慣れてくるとピラミッドストラクチャーを作り、説明のリハーサルをするところまで20分くらいあればできてしまいいます。
ぜひ、普段から使って頂きたいなと思います。
また、相手がどういう人で、何に興味関心があって、どういうことが好き・嫌いなのか、
そういうことがわかっていないと、相手の心に響くように話せないことも理解して頂けたんじゃないかと思います。
- 「全体像」が把握しやすい
- ストーリーを作りやすい
- 具体性が必ず備わる
- サブイシューに沿ってメッセージを導き出すと、相手が「なるほど」と思うメッセージが構成できる
- メインイシューを「相手が知りたいこと・興味のあること」で考え抜くと、相手が受け取りやすいように伝えることができる
質疑応答
最後に参加者の方からいくつか質問がありましたので、そのやり取りをご紹介します。
A.普段からピラミッドストラクチャーを使っていると、構造を考えるクセが付きます。
今日1回のセミナーだけだと身につかないかもしれませんが、普段からやり続けていると、「こういう順番でこういうこと話せばいいんだな」っていうサブイシューの構造が身にしみてくるので、話す時に困るというのがなくなっていくと思います。
A.普段から考えたことを紙に書くということをやって頂きたいなと思います。
そうすると、書いたことは目で見て確認できるので、その後も見て定着していきます。
また、文章にすると、「考えたつもり」で終わらずに「考え切る」というクセが付きます。
考え切ったことは自分に血肉となり、血肉になったものは出せるはずです。
A.コミュニケーションなので一発勝負ではありません。
一発勝負だと思っていくと自分の意見を押し付けようとしてしまいがちです。
そうではなくてコミュニケーションは「相互作用」です。
自分が伝えたら、相手から反応が来るのが基本。
仮に違っていたとしても必ず相手から反応があるはずだから、それで相手のニーズがわかるので、そしたら最初からやり直せば大丈夫です。
「そうか、相手はこういうのが好みなのか」「こういうことを気にしているのか」っていうのがわかる状態になるので、「じゃあ、次回はこうしよう」っていう風に修正できます。
相互作用って思っていただけるとハードルが下がるかなと思います。
人間ですから間違うことはいっぱいあります。私も外すことは未だにいっぱいあります。
結構みんな一発勝負だと思ってるのかなって感じることが見ていてあります。
一発勝負だと思うと緊張します。
そうではなくて、相手とのやり取りの中で、自分の考えをブラッシュアップしていく、そんな形で相手とコミュニケーションをとる、そういう気持ちで普段から相手と関係を作っていくことが大事かなと思います。
A.新しいものを取り入れるとおっしゃる通り、必ず効率が下がります。
でも、そこを我慢してやり続けると必ずどこかの時点でギューっと効率が上がります。
なので、やり続けて欲しいです。
ただし、日常的なお仕事の中でそれをやっていこうとすると、時間がない、仕事に追われていてすぐ結果を出さなきゃいけない、そんな中だとやるのは難しいかもしれません。
オススメの方法としては、1つは「後で振り返る」ことです。
「あの時、どういう風に言えば良かったんだろうか?」という風に
後から振り返ってピラミッドストラクチャーを作って頂くだけでも全然違います。
もう1つは、「いきなり難しいことで取り組まない」ことです。
例えば、仕事上の報告、これはすごく気合が入ります。緊張しますし、作るのに時間がかかります。
- 後で振り返る
- いきなり難しいことで取り組まない
例えば、身近な友人や家族にちょっと何かを説明する、その時に試してみる。
今日のワークの「自分のオススメを紹介する」というのは結構気楽に書けたと思います。
そういうところから練習していただいて、徐々に仕事に使えるようにして頂くと良いかなと思います。
A.今日ご紹介したやり方はあくまで“ツール”なんです。
それとセットにならないといけないのが、「(あなたが)伝えたいと思うこと」です。
最近、自分のセミナーの中で「冷静」と「情熱」という話をしてます。
「冷静」というのは、スキルやノウハウ、知識であったり、経験であったり、そういうところを冷静と言っています。いわゆるビジネスで必要だと言われていることです。
一方、「情熱」が何かと言うと、自分自身の中にある 何か伝えたいと思うことであったり、自分がこれがやりたいと思うこと、そういうものを情熱と言っています。
情熱と冷静は必ずセットで、自分の中にある伝えたいものが実はある、それを伝えるためのツールとしてロジカルシンキングを使って頂く。
もしかしたら、お仕事の中でやらされている感覚があったり、やらねばならないという義務感など、そういったところが少し先行しているのかもしれません。
でも、その仕事の中に自分なりの面白さや、熱中できること、苦もなくできること、そういうところが見つけられると、
- だから、自分はこれをやりたいんだな
- 自分はこの部分にやる意義を感じているんだな
と思えてくるかもしれません。
人に伝えて終わりではなく、自分で考えて終わりではなく、
行動に移して、何かものを作ったり、誰かを巻き込んだり、その先に自分が「こうあって欲しい」「こういうものになりたい」とだんだんと自分の軸が見えてくると思います。
その軸がないと、おっしゃる通り、伝えるのめんどくさいって思うかもしれないです。
しかし、情熱を持ってないわけではなく、持っているんだけど、自覚できてないだけだと思います。
私の思い
最後に私の想いをお話しさせていただきたいと思います。
今日は「わかりやすい説明」というテーマでお話しさせていただいて、みなさんにも実際にやって頂きました。
今日お伝えしたのはあくまでツール、道具です。
それは伝えたいことの表面にすぎません。
そして、伝えたい内容、伝えたいことがある、これが大前提という話をしましたが、
伝えたい内容がなければ、伝えたい気持ちがなければやっぱり相手には伝わりません。
そして、逆に言えば、
- 「これがやりたい」「こうありたい」そういったものを持っていれば
- それを実現するために「これを伝えたいんだ」という思いがあれば
実はテクニックがなくても相手に伝わるものなんですね。
みなさんの周りでも、思い浮かべて頂くと、そういう方がいらっしゃるんじゃないかと思います。
決して、話し上手ではないんだけれど、いつも人を巻き込んで、好きなことをやっていたり、なんだか知らないけど、いつも楽しそうにやっている人、そういた方が周りにもいるかもしれません。
そういう人たちは自分の中に「これがやりたい」「こうありたい」という思いがあり、それを実現するために行動している そうするとテクニックがなくても相手に伝わっていったりする
これを私は「情熱」と呼んでいます。
もし、みなさん仕事上のコミュニケーションで悩んでいるならば、
- 仕事に面白みを見出しているか?
- 情熱を感じているか?
まずはそこを見直して頂き、
「自分がなぜ伝えたいのか?」
「なぜ、説明したいのか?」
そういうことが分かってくると、きっと「よし、やってみよう!」と思えるはずです。
情熱は誰にでもある!
この5年間、ロジカルシンキングの講座を続けてくる中で、私の講座に来てくださる人たちは、全員が「情熱」を内に秘めていると確信するに至りました。
ただし、ご自身がその「情熱」を自覚していないかもしれません。
「私これやりたい」「こう在りたい」って意外と自覚していないなって気がすごくしてます。
自分で自覚していなくても、「伝えたい」「こう在りたい」「こうなりたい」という情熱があるからこそ、自腹を切ってロジカルシンキングを学びに来てくれるのです。
そして、講座でやり取りしているうちに、ご自身でも気がつかなかった情熱に気付き、「あっ、そういうことだったんだ!」という場面を何度も目撃してきました。
そこから私は【すべての人が情熱を内に秘めている】と思うようになりました。
この5年間の集大成としてロジカルシンキングの考え方やPSの使い方などを書籍にまとめました。でも、この本はまだ私が教えていることの半分なんです。
今後の私の目標
これからどうしていきたいとかと言うと、
“できる人のためのロジカルシンキング”ではなく、
“できるという自信”がなくても、
自分の中にある情熱が明確になっていなくても、
何か伝えたいことがある。
私だってちょっと変わりたいんだ。
そんな人が、
「安心して、自分が持っている“伝えたいこと”を自信をもって伝えるための方法を広く伝えていきたい」
それが私の次の目標です。
「私でも大丈夫」そして、「自信を持って伝えよう」
そういう風に思えるロジカルシンキングをこれからもみなさんにご提供していきたいと思っています。
ロジカルシンキングがあなたのパートナーになるようにこれからもできる限りのサポートを約束します。
これからもよろしくお願いします!
※8/18(日)10:00〜12:00「わかりやすい説明ってどうすればできるの?」セミナーのリクエスト開催が決まりました。詳細はこちら
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