渡辺まどかです。
「言語化」に焦点を当てた
シリーズの第7回目です。
1回目:
言葉の引き出し【前編】
(語彙を増やす&言葉を粘り強く選ぶ)
2回目:
言葉の引き出し【後編】
(ぐっとくるキーワードを掘り下げる)
3回目:
自分なりの考え・アイデア【1】
(責任範囲の少し外を、自分事で考える)
4回目:
自分なりの考え・アイデア【2】
(「課題」と「実行手段と手順」の解像度を上げる)
5回目:
自分なりの考え・アイデア【3】
(相手に誠実に向き合うための「自分の信念」)
6回目:
自分なりの考え・アイデア【4】
(「自分の信念」の育て方)
前回は、
自分なりの
考え・アイデア
=自分が心の底から
信じている信念
は、
何度もアウトプットを
繰り返して、育てる
というテーマをご紹介しました。
いきなり完成度の高い
考え・アイデアを
発信するのではなく、
100点満点中
10点のレベルでいいから、
誰かに
自分の考え・アイデアを
聞いてもらう。
否定されても、
それはあなた自身の
価値が否定された
ということではなく、
あなたの信念を
育てるためのチャレンジ、
一つの機会であったのだ
と考える。
つたないものであったとしても、
繰り返し繰り返し
アウトプットする中で、
練度が上がり、
形を変え、洗練された
考え・アイデア
=信念
に変わっていきます。
最初から、
うまくいくわけではない。
でも、
ほんのわずかに、
勇気をもって発した
あなたの
言葉の積み重ねが、
あなた独自の
考え・アイデア
=信念
につながっていくのです。
自分の信念が必要になるタイミング
…と、こんな話をしていると、
自分の人生・キャリアには
ちょっと大言壮語すぎる
と感じる方も
いらっしゃるかもしれません。
でも、
人生・キャリアを
積み重ねていくと、
それが
必要になってくる時期
があるのです。
私が多くの方の
カウンセリングを
させていただいている中では、
40歳前後で
「信念が必要かも…」と
実感する方が多い印象です。
なぜ40歳前後なのかというと、
現在の
日本の多くの組織では、
40歳前後で
環境が大きく変わったり、
これまでのやり方が
通用しなくなって、
大きな挫折感や
喪失感を
感じる方が多いからです。
例えば
が多いのが、40代前後の
タイミングのようです。
そうすると、
これまで積み重ねてきた
知識・経験・スキルが
上手く働かなくなり、
成果が出せなくなる。
あるいは、突然、
周囲に語れ
どうしたいのか、どう貢献するのか
と詰められ、
辟易としてしまう。
そんなことが起こります。
周囲の期待通りにやれてしまう人、自分の意見を否定された人
30代までは、
会社に与えられた
役割にそって、
定められた目標を
クリアすれば
十分に評価されていた
かもしれません。
新社会人から、
30代、40代になる過程で、
大なり小なり、自分なりに
「こうしたらもっとよくなるのに」
「こうすべき」
と、
自主的に考え行動した結果、
否定されて
傷ついた経験を
繰り返してきたかもしれません。
周囲とぶつからずに
上手くやれるよう、
痛い経験をしながら、
自分をうまく
組織や上司の期待に
フィットさせ、
その中で
最大限の努力を
してきたのに、
いきなりはしごを外され、
手のひらを返されたかのように
感じる方もいるでしょう。
逆に、
組織や上司の期待通りの
ビジョンや貢献を、
自分の言葉で
語れてしまった方も、
それはそれで
苦しいものがあります。
(本当は)
自分が望んだわけでもないのに、
高い目標や
無理難題に思えるようなゴールを
持たされて辟易する。
プレッシャーを感じ、
部下や後輩を
なんとかしなければならないと、
イライラを感じたり、
「働くってこんなもの」
「あと何年働かなければならないのか」
という
義務感と諦めを
感じたりすることもあるでしょう。
あなただけが抱えるものではありません。
多くの方と
カウンセリングをしたり、
企業研修で講師をすると、
同じような状態に
陥っている人を
たくさんみかけるのです。
「周囲に合わせる」という価値観の中で
私は、そういう人の中に、
「信念がない」わけではない
と考えています。
ただ、残念ながら、
今の日本の
社会・組織の中には、
「自分なりの意見・考えを
発信するのがいいことだ」
という発想があまりなく、
上手くやれることがいいこと
をしなければ、
そこに居る意味がない
という価値観が
しみついてしまっている状況です。
そうすると、若いころから
(下手をすると、
児童・学生のころから)、
自分なりの
考え・アイデア=信念
よりも、
「評価される」
「人に嫌われない・怒られない」
を優先させ、
自分をうまく
表現できなくなってしまう。
組織の一員として、
社会人として、
家族や友人などの
プライベートなコミュニティの一員として、
という
義務・役割・責任を
果たすことが優先され、
「あなた」という、
一人の人間の、
素朴な願望や欲望を
塗りつぶしてしまうのです。
もちろん、
自分の欲望・欲求・願望を
むき出しにすればいいか
というと、
そういうわけではありません。
感情のままに
全て押し通そうとするのは、
あまりにも周囲に与える
ダメージが大きすぎ、
人間関係や社会的立場を
損なうことになってしまいます。
小さな子どものように、
「おもちゃ買ってほしい~!!」と、
店の売場で泣きながら
駄々をこねるわけにはいきません。
大人がそれをやってしまうと、
ただの「独り善がり」に
なってしまうからです。
大人よ、わがままであれ
それでも、私はあえて、
大人になったあなたに
言いたいのです。
「あなたの中にいる、
駄々をこねている
小さなあなたの声を拾ってほしい」と。
私は、もっと大人は
「わがまま」になるべきだ
と思います。
「わがまま」って、
良くないことのように
感じられますよね?
でも、
本来のわがままとは、
「我が」の「まま」、
つまり、「素の自分」
のことを指すのです。
「わがまま」が
よくないこととみなされるのは、
そこに不平や不満といった
負の感情が乗せられているから。
人にぶつける行為は、
他者にとって
気持ちのいいものではありません。
しかし、
負の感情もまた、
あなたが感じる、
素直な欲望・欲求・願望
であることも確かです。
負の感情を押し込めたり、
なかったことにするのではなく、
それに向き合い、
素直に自分の中で受け止め、
言語化していく。
言語化する過程の中で、
自分の内に
しまっておくべき言葉と、
表に出すべき言葉
の区別がつくようになってきます。
わがままを信念に育てる
表に出すべき言葉が、
うまく組織や社会の
ニーズと重なる部分、
それが、あなたが
掲げるべきビジョンであり、
信念なのです。
人間として
生きている以上、
誰もが、その人なりの
欲望・欲求・願望を、
必ず持っています。
それを、
組織の期待と
どうすり合わせ、
自分なりに
言葉にしていくのか。
40代になると求められる
自分なりの考え・アイデアとは、
そういうものです。
だからこそ、
必ず、誰もが、
その元となる種を持っています。
感情、そして欲望・欲求・願望を、
認め、自覚し、
受け入れることがスタートです。
それが、
ポジティブなものであれ、
ネガティブなものであれ、
どんなに小さな、
つまらないもの
であったとしても、
弱く情けないもので
あったとしても、です。
自分なりの欲望・欲求・願望を、
言語化する過程で、
あなたが本当の意味で
アウトプットすべき言葉が
みつかります。
それを、
ほんの少し勇気をもって、
アウトプットして、
他者の耳目に触れさせてみる。
上手くいっても、
上手くいかなくてもいい、
その経験を
積み重ねていくことが、
あなたなりの
考え・アイデアを育てていくのです。
ただし、
それは一朝一夕に
言語化できるもの
ではありません。
どんなストーリーで、
どんなロジックで、
他者に響き、共感してもらい、
納得してもらう形に
まとめられるのか、
すぐに形にするのは難しい。
しかも、途中で見失ったり、
方針転換を迫られることもあるでしょう。
前言撤回、朝令暮改、有言不実行
を気にすることはありません。
失敗し、凹み、恥をかくからこそ、
磨かれていくからです。
それでも、チャレンジし、
試行錯誤しつづけることは、
あなたの
人生・キャリアに、
大きな意味とやりがいを
与えることになります。
もし、落ち込んで
立ち上がれないときには、
ぜひお話を聞かせてください。
そういう人をサポートすることが、
私の使命ですから。
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