ロジシンコラム

問題が整理され、説明しやすくなる「因果関係図」の作り方

渡辺まどか
渡辺まどか
こんにちは。
渡辺まどかです。

「問題解決」に焦点を当てた
長期シリーズをお届けしています。
今回はその10回目です。

 


前回は、

問題に取り組みやすくなるよう、
表記の仕方のコツ
をお伝えしました。

 表記の仕方を工夫するだけで、
その先を考えやすくなるかどうかが
全く違います。

 


ぜひ、
「とりあえずこれでいいや」式で
表現するのではなく
コピーライターになったつもりで


自分が捉えている問題を、
 できるだけ正確に表現する言葉を選ぶ
より取り組みやすい切り口に
 なるように表現する
 よう粘っていただきたいです。

 
さて今回は、番外編として
「因果関係図」について
ご紹介したいと思います。

 

因果関係図とはなにか

 
前回、「言い換えのコツ」をご紹介した際、

①「○○できない」を言い換える
②「○○がうまくいかない」を言い換える
③「結果が出ない」を言い換える
④「時間がない・効率が悪い」を言い換える

と、ぐるぐる行き来しながらつながっている
ということをご紹介しました。

 


例えば、
部下の育成ができない
(結果が出ない
という問題を言い換えると、

 


● 育成する時間を十分に取れない
● 育成の仕方がわからない
と言い換えることができます。

 


上記2つは、さらに

・無駄な業務に時間を割いている
(無駄な書類作成や会議等)

・育成が必要な業務として
 認識されていない
(担当が割り振られていない)

・育成することが業績評価の 
 対象になっていない
(ルールがない)

・育成のノウハウが属人化している

・育成のプロセスが定義されていない

 と言い換えることができます。

※実際に当てはまるかどうかは、
個々の組織によって異なります。

 

これを、図に置き換えたものが、下図です。

 

あら不思議、言い換えをしただけなのに、
図にしてみるとツリー状にまとまりますね

 


言い換えをするということは、
具体化・細分化をするということなので、
自然と因果関係が発生しやすいのです。

 

 

このような、
複数の要素が因果でつながっている状態を
図として表現したものを
「因果関係図」と呼びます。

 

 


少しロジカルシンキングに詳しい方であれば、
「ツリー状になっているから
 ロジックツリーなのでは?」
と思うかもしれません。

 


しかし、ロジックツリーの場合は
もう少し厳密にもれなくダブりなく考えたり、
概念の大小・レベル感を定義する
必要があるため

 


この図のレベル感であれば、
ロジックツリーもどきの
因果関係図と定義するのが適切です。

 



先ほどの図では、ツリー状になりましたが、
循環する場合もあります。

 



このように、
問題が循環することもよくありますよね。

 

 

因果関係図を作るメリット

 因果関係図で問題を表現するメリットは、

目の前で起きている現象は、
複数の要因が影響し合っている
ということがよくわかる

ということです。

 


複雑に見える問題でも、
何がどのように影響して起きているのか
客観的に把握できるので、
問題点の共有をしやすくなります。

 


さらに、
手の打ちやすいところを
解消すれば結果的に問題が
解消されることがわかるので、
打ち手を関係者に説明する際に
説明がしやすくなります。

 


例えば2つ目の図において、
研究開発費に予算を回せない」は
すぐに解消が難しいかもしれません。

 

しかし、「売れる商品」を作るために、
予算をかけずにユーザーの声を
もっと真摯に拾い、
今までにない商品を考え出すことは
できるかもしれません。

 


そうすると、
商品が売れるようになり、
利益も上がるので、
結果的に研究開発費に予算を回しやすくなる…

という具合に
直接的ではないが結果的に問題が解消する
ことを説明しやすくなります。

 

 

因果関係図作成時の注意点

 
因果関係図を作成するときの
注意点が2つあります。

 

まずは、
矢印は種類を統一するということです。

 

 

2つの図の中で、
矢印の脇に添えられている
言葉に注目してください。

 


1つ目の図では
「なぜなら(=原因)」ですが、
2つ目の図では
「そうすると(=結果)」です。

 


因果関係図を作成する際、
「なぜなら(=原因)」
「そうすると(=結果)」の
どちらで作成してもいいのですが、

「なぜなら」の矢印と
「そうすると」の矢印を、

一つの図の中で混ぜて
使わないようにして下さい。


これ、簡単なようですが、意外と難しいです。

 


実際に因果関係図を作成していただくと、
途中で混ざることがよくあります。


慣れるまでは、
矢印一つ一つに、
「なぜなら」「そうすると」と
言葉を書き添えることをお勧めしします。

 

 

注意点の2つ目は、
それぞれの要素はできるだけ具体的に書く
ということです。

 

「制度がない」ではなく
⇒○○する制度がない

「業務効率が悪い」ではなく
⇒○○業務のxxプロセスに時間がかかる

など、
できるだけ対象を具体的に書いてください。


図にすると、
一つ一つの要素を書くスペースが小さいので、
つい短い言葉で書こうとしてしまうのですが、
短い言葉で書くと抽象的になってしまいます。

 


ちょっと長くなってしまいますが、
主語・述語・目的語を省略せず、
前回の記事
「言い換え」の例も参考にしながら、
できるだけ具体的に書くようにしてください。
 

渡辺まどか
渡辺まどか
因果関係図を書くだけでも、問題の解決の方向性が
見えたりすることもあります。ぜひ試してみてください。


書いた因果関係図を添削してほしい方、
途中で書き方がわからなくなってしまった方、
無料カウンセリングでご相談くださいね。

 

 

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